小説・漫画好きの感想ブログ

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「神の守り人」(下) 上橋奈穂子

 「精霊の守り人」シリーズの文庫では最新刊になります。
 ロタ王国に伝わる恐怖の神人支配の時代から受け継がれてきた伝承が甦ったとき、その娘アスラの運命と人々の運命は!?
 短槍使いのバルサにとっても、今度の助ける相手はあまりに途方もない運命を背負い、あまりに危険な力をもった少女で、今回ばかりはバルサ自身ですら運が味方しなければ一瞬にして死んでしまうようなシチュエーションの連続のお話でした。敵と味方は錯綜しているし、騙し騙される関係は入り乱れているし、虐げられた民の反動などのマクロの話も出てきて、その中でバルサと少女には過酷な運命が待ち受けます。
 正直エンディングも、手放しで喜べるものではないですが、それでも収まるべきところに収まり、登場人物たちが懸命に生き抜いた結果だと思えば、わずかな希望のもとで納得できる結末になっているかと思います。
 

神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)

神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)