小説・漫画好きの感想ブログ

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「うそうそ」 畠中めぐみ著

 先日実写ドラマ化された「しゃばけ」シリーズの文庫最新作「うそうそ」です。
 今作ではなんと病弱でいつも寝たきりの若旦那が箱根へ湯治に行くという話で、山神や姫神、天狗たちといった今までに出てこなかった妖し達も登場して、いつもとは違った冒険スペクタクル風のお話になっています。もちろん、若旦那がどうしてここまでというくらい優しいところや、登場人物たちの心が通じていく様子や、兄や達二人の豪腕ぶり、家鳴たちのキュートな存在などいつも通りの魅力もたっぷりとあります。
 その上で、今回はいつも以上に若旦那の精神的・肉体的な成長が描かれていて読み応えもありました。可愛い子には旅をさせろ、というのは本当で、旅はそれなりに人間的成長の間違いないイベントなのでした。
 もっとも、同時期に読んだ宮部みゆきの「日暮らし」などと比べると、どうしても若旦那の成長なり考え方は、やはり恵まれた余裕がある境遇だからのものに思えてしまいました。話の目指すところや求めるべきものが違うから当然といえば当然の話ですが、タイミング的にかぶってしまったのでちょっとそんな事を思ってしまいました。

うそうそ (新潮文庫 は 37-5)

うそうそ (新潮文庫 は 37-5)

 追記:実写ドラマは、宮迫の屏風男や、家鳴の妙にキュートな処とかビジュアル的なところで変に違和感が。。。「しゃばけ」シリーズの各キャラはあのイラストのような淡いというか薄いちょっと抜けたキャラのほうがいいなぁと思います。あと、ドラマは原作をかなり大胆にアレンジしていましたが、、、はしょりすぎだし変にいじり過ぎで大味になっていたような。。。個人的にはイマイチでしたが世間的な評価はどんなものなんでしょうね?