小説・漫画好きの感想ブログ

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「お腹召しませ」 浅田次郎著

 浅田次郎の文庫最新刊です。
 幕末を舞台にした短編集です。
 ひさびさの浅田次郎でしたが、楽しませてもらいました。現代の話を枕に振って、それからひょいっと幕末、それからご一新あたりの武家社会を題材にした短いお話が展開されて、それで現代にまた帰ってくるという典型的な枠小説がいくつか入っています。
 そして、その短篇がまた実にいいんです。本人たちにとってはシリアスだったり困った話だったりするんですけれど、読み手からするとユーモアたっぷりに笑わせてくれてそれでいて人情にホロリとさせてくれるところもあって、いい意味で浅田次郎の美味しいところをつまみ食いしているような感じで、リラックスした感じで楽しませてくれます。
 こんなリラックスした感じの話だったら、是非温泉か何かにいった時に、のんびりゆっくりと簡単ながら味わい深い料理でもつつきながら、お酒もほんのちょっと飲みながら、窓べりでのんびりとくつろいで読みたかったです。未読の人は、そんな感じで読むと一番いいんじゃないかなぁと個人的には思います。

お腹召しませ (中公文庫)

お腹召しませ (中公文庫)