小説・漫画好きの感想ブログ

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日本人のメンタリティー

 こんにちは。
 今日の中国四川大地震への自衛隊機派遣見送りの報をきいてつらつら思う事を少し。 
 先日の日本からの医療チームや救助チームの派遣は、中国側でも大勢的には歓迎ムードがあって、嫌がる人否定的な人もいたものの、概ね両国にとって成功だったかと思います。最初は心理的にいやがっていた人も、現実問題として被災して苦しんでいる現状と、それを助けにいった日本チームの真摯な態度にも好感がもたられていました。
 その流れを受けて、それならばと日本も中国政府も、中国政府から要請されているテントや毛布を援助物資として自衛隊機で運ぼう、運んでもらおうとした。が、それに対しては中国全土で拒否感や嫌悪感が激しく湧き起こった。これはたぶん想定外、というかある程度のレベルでおさまると思っていた反対論がふたをあけてみれば国民感情として大勢を占めていたという予想外の出来事だったと思う。自分も正直、そこまで根は深いのかと驚いたし、やはり中国人のメンタリティーは良い悪いではなく日本人とはかなり違うのだなぁと改めて思った。
 というのは、もしこれが仮に日本で大地震があったとして、と考えたらあまりに受け止め方が違うからだ。例えばもし、阪神大震災のあのとき、中国軍が救援物資をもってくる、チームを派遣してくるという事があったとしたら、僕もそうだけれど素直に感謝していたと思うんですよ。別に中国軍が何かするなんて夢にも思わないし、それに生理的な嫌悪感を持つなんていう事はないと思うんです。まぁ、本土攻撃されたほう、攻撃したほうという関係性でいうなら、アメリカ軍を例にしますが、それでもそういう排他的な感情が出るかといえば出ないんですよね。ではということで、戦争という形で敵味方になったわけではなく、終戦直前のドサクサで日本に侵攻し大量の不法な独占と人的被害を出したソ連、ロシアが相手であったとしても、そんな感情は日本人には生まれないと思うんですよね。
 これは一体何を意味しているのでしょうか?
考えられるのは日本人が、諸外国に対してそれこそ憲法でいっているような「平和」を大前提にして相手を疑いもしないという能天気(悪く言えばおめでたいともよく言われる)な国民だから、グローバルスタンダードからすれば余りに無防備すぎるのか。繋がって、被災という状態に対する善意に対して何か悪意を持つというのは不自然という性善説な集団なのか。
 そしてもう一つは、戦争であれ犯罪であれ長い時間そのものごとに拘泥する事ができない国民性があるのか。 
 このあたりを考えると、日本というのはやっぱりちょっと特殊だし、それと比較すると中国というのもまた特殊だなぁと思わざるを得ません。あちらは、基本的には血縁と復讐は絶対的に当たり前にしなければならないものという国民性ですから、過去の歴史的事実については本音や感情でいえば日本が謝罪するしない、を抜きにしてその感情を伝える人が続く限りそれが消えることはない。いつまでも残る。日本は日本で、どんなことがあっても当事者以外はすぐ風化するし、当事者も時間が経つともういいやとなってしまう。
 お隣にありながら、あまりにメンタリティーが良い悪いは別にして違いすぎるし、そこでまた議論が噛み合ない。本当に難儀な組み合わせだなぁと今回のことでは改めて思いました。日本は、中国の国内感情を考慮して、支援物資は民間機をチャーターして中国国内のボランティア組織などに渡すことにするようですが、、そこまで変に気をまわすのもかえってなんだか事態がこじれるというか悪い前例を作るような気がして仕方ありません。