小説・漫画好きの感想ブログ

小説・漫画好きの感想ブログ

アイヌ・エゾジカの料理

 
 IWCなどでオーストラリア等で激論続きの捕鯨問題を別の角度から取り上げてみる話題です。
 あちらからしたら、日本の固有の伝統や食文化というのを一顧だにしてもらえないわけですが、こちらも同じようではいけないと思っていた所ちょうどこんな記事が出ていたので取り上げてみました。琉球王国と並んで、もともとは日本民族とは違うんだけれども、今は日本として一緒になっているアイヌの食文化のエゾジカについてです。
 エゾジカの料理、いったいどんな味がするのか継続的にメニューに入れてくれるならば神戸に行った時にでも食べてみたいものです。

>> 
北海道の先住民族アイヌの伝統的な追い込み猟で捕らえたエゾシカの肉を、ミナト神戸に根付いたさまざまな国・地域の料理法で味わってみる-。そんな “おいしい試み”を山中速人・関学大教授(54)=文化社会学=が提唱し、初めての集いが神戸の老舗スペイン料理店で開かれた。市民レベルの文化交流を図ろうと、アイヌ文化の継承に取り組む「ヤイユーカラの会」(札幌市)の代表、計良光範さん(63)も招かれた。(宮沢之祐)
 会場は神戸市中央区の「カルメン」。アイヌ語番組の放送もしている神戸市のコミュニティ放送局「FMわぃわぃ」の関係者や教員、医師ら約三十人が参加した。
 エゾシカ料理のフルコースは、薫製とレバーのパテで始まった。濃厚な味と香り。続くスペアリブは豪快に食いちぎる。その後は一転、素材を生かした繊細な料理に。もも肉のロースト、すね肉のシチュー、ロース肉のソテー、心臓などのパエジャ…。思いのほか柔らかく、臭みがない。かむほどに味が広がる。
 エゾシカは本州のシカより大型で、美味とされる。計良さんによると、かつてアイヌにとって、シカはサケと並ぶ「大したもんではない」普通の食料だった。干し肉にするのが一般的で、生でも焼いても食べた。猟は、犬も使って大勢でシカを追い立て、がけに追い落としたり、毒矢で射ったりしたという。しかし、アイヌの猟法は一八七六(明治九)年、明治政府が事実上禁じた。
 ヤイユーカラの会は「理不尽に奪われた権利を取り戻す」と、一九九三年に追い込み猟を再現。とはいえ捕獲は難しく、四年目に初めて成功した。当初は猟を黙認していた環境庁(当時)は九七年、初めて許可をした。猟の再現は、全国の有志も参加するシカ狩りキャンプとして毎年一回続いている。計良さんは「解体したシカの温かい内臓にも手を入れる。食べるとは、命をいただくこと。『いただきます』の意味が分かる」とキャンプの意義を説明する。<<