小説・漫画好きの感想ブログ

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ネタバレ感想 映画「Sweet Rain 死神の精度」伊坂幸太郎原作

 行く行くといいつつなかなか行けてなかった伊坂幸太郎の「死神の精度」、行って来ました。
 上映時間がえらく間延びしていていて一日に三回しか上映がなく、阪神・巨人戦の対グライシンガー戦も見たいし、岡田准一堤真一の「SP スペシャル」も見たいしどうしよかと思いましたが、そちらはDVDくんに任せて見て来ました。
 まず、総体としてみたらけっこういい出来。
 大傑作じゃないけれど、佳作レベルには十分に達していました。
 原作の連作短篇のエピソードのうちの、印象に残る三編、最初の冴えない女性テレホンオペレーターの話、中盤のヤクザ同士の抗争の話、最期の老年期の元歌手が美容院で子供達の髪を切る話、これらをうまくつないでまとめて構成していて、原作をうまくアレンジした作品に仕上がっていると感じました。個人的には、殺人事件の犯人とのロードームービー的なエピソードも使ってほしかったけれど、作品の長さ的にもこれが限界だし、まとまりという事についていえばこれがベストチョイスかと思います。
 映像的にも、SFXがちょっとちゃちかったですけれど、雨と青空を上手く利用していましたし、シーンごとにかわる金城武の衣装とコミカルな演技がなかなか面白い仕上がりになっていました。もともとの設定でも、ちょっと天然っぽいとこがあった死神ですが、映画版でもその線はかわらずで、そこの処理も上出来だったではないでしょうか。 
 さて、原作にはない黒犬が出て来ますが、これについては評価が定まりません。犬とのかけあいがないと、原作の地の文での死神「千葉」の心理描写が全部モノローグになってしまうので演出的に何かを出す必然性はあったと思うのですが、そのあたりまずくはないけれど会心のヒットでもなく微妙な感じで、これは他の人の意見も是非聞きたいところです。
 ということで、ざっと駆け足で振り返りましたが、けっこう手堅くまとまっていて原作にもある程度忠実だし、佳作といっていいと思います。

追記:あと書き忘れていましたが、小西真奈美さんってけっこう演技上手いですよね。いろいろな映画に出ていますが、ちゃんとその役柄になりきっているというかなんというか。「ぐびなま」のCMあたりから、ユースケ・サンタマリアやウルフルズと一緒にでていた「UDON」などを中継して見ていますがやっぱり演技がうまいなぁと思います。最近だとドラマの「あしたの、喜多善男」なども未見でしたがいい役やっていたようだし集中的に見たいと思います。

追記:映画館でいくつか予告を見ましたが、森博嗣の「スカイ・クロラ」、アメリカの「クローバーフィールド」や「ナルニア国物語第二部」などはなかなか期待させる感じでしたので、次に見にいきたいなと思いました。