小説・漫画好きの感想ブログ

小説・漫画好きの感想ブログ

福島第一原子力発電所事故は人災というしかないか

 おはようございます。
 下記のニュースを読むと、福島第一原発の事故はやはり人災といわざるを得ないかも知れません。IAEAの勧告を無視していたこともそうですが、電源がなくなるとどうしようもなくなることがわかっていたのに放置していたとしたら、それはブレーキがきかなくなるとわかっていて車を運転していたのと同じですから。
 非常用電源を地下に原発なみの強度でもって作っておく事くらいは技術的にも資金的にも余裕だったはずで、あんなサイズの津波がきたら地上の建物の多くが流されてしまうのは想定外だったとしても、そういう流されない装置や機関を地下に作っておくことは全然楽勝だったはずだから、これはやはり安全対策が不足していたといわざるを得ないでしょう。
 こうして話している間にも、ピットから海水中にどんどん汚染物質が流れて行ってしまっています。海中でもそこそこの量のヨウ素セシウムが確認されています。確かにそれはすぐに健康被害がおこるレベルの量ではないし、半減期を迎えるし、海でどんどん希釈されますが、それでもその罪や人々への不安感という意味からすれば前代未聞の失態です。また、経済に与えた影響、福島に住む人たちの住む土地を数十km圏内で奪ってしまったことなと考えると、あまりに杜撰すぎます。
 今彼らを吊るし上げても仕方ないし、一部で起こっている東電社員に対する嫌がらせは買い占め同様にバカバカしい話ですが、天災で終わらせてはいけない話だということは確定してきたと思います。
 しかし、、、同時にまた当時の自民党政権はこういう報告書が外国からではなく国内機関から出ていて、それを認知していたのにどうして何も手を打たなかったんだろうか。経済産業省保安院と原子力安全委員会の手落ちが厳しく糾弾されてもしかるべきだと思う。直接的には保安院が強制的な指導やペナルティを課さなかったこと(たぶん天下り絡みもあるんだろうし、専門的な知識不足もあるのかも知れない)と、それを打あ゛ルチェックするはずの安全委員会が機能していなかったのはいかにもお粗末すぎる話です。
 東京電力の会長以下のあの開き直り方は、「だって国も別にそれで認めてきたじゃん」というのがあるのかも知れない。

東京電力福島第一原子力発電所2、3号機で使われている型の原発は、電源が全て失われて原子炉を冷却できない状態が約3時間半続くと、原子炉圧力容器が破損するという研究報告を、原子力安全基盤機構が昨年10月にまとめていたことがわかった。
 東電は報告書の内容を知りながら、電源喪失対策を検討していなかったことを認めている。
 国は2006年に「原発耐震設計審査指針」を改定し、地震の想定規模を引き上げた。これを受け、国の委託で原発の安全研究に取り組む基盤機構が、09年度から様々な地震被害を想定した研究を始めた。
 1970年前後に開発された、2、3号機の型の沸騰水型原発(出力80万キロ・ワット)については、地震で電源喪失した場合、原子炉内の温度や水位、圧力などがどう変化するかを計算した。
 その結果、3時間40分後には圧力容器内の圧力が上がって容器が破損し、炉心の核燃料棒も損傷。格納容器も高圧に耐えきれず、6時間50分後に破損して、燃料棒から溶け出した放射性物質が外部へ漏れるとした。