小説・漫画好きの感想ブログ

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加護亜依リストカットに思う

うかつな事をかくと、すぐ炎上という昨今のブログ事情を考えるとちょっと怖いんだけど、例のもと元モーニング娘。加護亜依の芸能界復帰と自殺未遂、リストカット告白について一言書いておきたいと思います。
まず、なにをさておき、甘えているなぁというのが第一印象です。タバコの喫煙があった日に、両親の離婚があってタバコに逃げたという発言。まず、これがわからない。それまでにタバコを吸っていなかったら、そのタイミングでわざわざ初タバコという事は有り得ず、であれば彼女は元からタバコの喫煙を常習的もしくは一定期間喫煙し続けていた経験があるとなる。そして、そうであるならば、両親の離婚(これはたしかに大きな事件でありダメージは大きい)は理由にならない。そこを大きくとらえればとらえるほど、それを理由にしてはならない。何故ならその大きな理由の前にすでに、一定期間は喫煙の履歴があり、両親の離婚がひき金ではなく、それは同情をひくための言葉になるからである。
また、自分の両親も離婚しているから敢えてかける話だが、離婚によって自分の人生は曲がらない。それはそれ。傷は残るし、ある意味永久に消えることはない。ただ、それによって自分の人生が曲がった、損なわれたなどというのは言い訳に過ぎない。甘えた発言であるとしか言えない。自分の両親の離婚は10歳くらいだったし、ややもすれば暴力的な要素もあったが、それはそれ、自分の人生の環境面でのワンエピソードにすぎないし、それによって自分の人生が決定されたとは全く思わない。もし、それが人生の全てを決定づけるとしたら、なんと、この世の中の人生は生まれや環境だけで決定づけられる身分社会、格差社会、運命論的世界だろう。
加護亜依それ自体にはふくむところもないし、モーニング娘。自体をリアルタイムでアイドルとして見ていた世代だから、再起して欲しいとは思うけれど、甘えてると思う。

その事のとどめが、リストカット、自殺未遂告白だ。自殺を計ること、自殺することはなによりも自分の人生にたいする冒涜だし、それこそ周囲や彼女をよく知る人達への精神的暴力であることに想像が及ばないことが甘いといわざるを得ない。また、自己中心的だといわざるを得ない。離婚が子供に与える影響の何倍もの苦痛や後悔、喪失感、無力感、罪悪感を知人たちに与えるか、自分が楽になるために死ぬことがどれだけ罪深く思慮が足りないかを彼女は20歳なら理解していてしかるべきである。
特に、彼女がそうした発言をすることが女子高生女子中生、あるいは若い世代にどれだけ影響力を与えるかを一時はアイドルとして生きた人間であれば、そこを考えてほしかった。
無論、彼女がこの発言を話題性を狙って発言したとは自分は思わない。そこまで悪い人間じゃないとは思う。ただただ思慮がたりなくて甘ったれているだけだと思う。
ただ、ケータイ小説というものが流行っているいまの時代を考えて欲しい。ケータイ小説の キーワードは何でしたか? 真実の愛、不幸、不治の病、レイプ、リストカットです。そういう文脈の時代性の中で、元アイドルが真実の愛や不幸やリストカットを、たとえそれが本人の中では真実であれ口外すべきことではなかったと自分は思う。
また死に関して蛇足的に書くと、自分はむかしまだかなり若いときにガンで死ぬことがほぼ確定していた時期がある。だからこそ、確実に自分が死ぬということを、そのときの感情を小説やドラマと違ってリアルに知っている。だからこそ言えるけれど、死ぬことなんて本当に覚悟さえしてしまえば怖くもなんともない。しんとした一瞬を越えれば、それはあまりに簡単に、コーヒーでも飲むように死をごく自然に受け止める事ができる。だけどそれは日常を生きる上では知らなくていいことだし、そういうとこに近づいてしまって本気の覚悟もないままに、それこそ勢いや思い詰めた一時の感情のたかぶりでリストカットしちゃう人間がでること、ふえることを恐れる。人生においてやるべきこと、なすべきこともなさずに死ぬことを選択肢の中に思い浮かべてしまうようなことや言葉が当たり前のようなキーワードとして世の中に蔓延することには、ため息が出る。 人間、死ぬときには必ず死ぬ。それはいくら嫌だといってもいつか来ることなわけだから、それまでは懸命に生き、自殺などかけらも考えずに生きて欲しい。少なくとも、今回の彼女の発言は、ごくごく範囲を絞るにせよ
、彼女の親族や、元彼、つんくら仕事関係者や、今後彼女と関わる人の心に、もし何かあったときには彼女は自殺するかもしれない、その引きがねを自分がひくかもしれないという不安やいいようのない心配、プレッシャーをたえず与えることになった。そういう重さを彼女には、理解して欲しいし、もしも何かの検索でたまたまこれを読んでいる若い人がいたら、自分がリストカットする(本気でないにせよ)という事や言葉を出すことがそういう影響をまわりに与えることは理解して欲しい。

柄にもなく語ってしまいましたが、いつもの常連さんはこの文でひかないでくれると、ありがたいです。