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「ベニシアの言葉の宝箱 猫のしっぽ。カエルの手」ベニシア・スタンリー・スミス著 感想 

「ベニシアの言葉の宝箱」 猫のしっぽ。カエルの手

僕は英語がわからない。
話せないとか書けないというレベルではなくて、わからない、のレベルである。人生で初めて焦ったのも、中学3年生の英語のテストで9点という前代未聞の点を取って、担任の先生から公立高校の進学が危ないよと言われたのが最初だったし、その後も受験勉強のほとんど全ての時間を英語にあてたもののセンター試験でも七割取るのがやっとだった。
それくらい苦手である。
だから、何回か英語に取り組もうとは思ったものの英語だけにはなかなか手を出せないできた。
英語嫌いの英語が苦手で英語ににつまる人間のお約束通りに、aという文字がどうして発音がそんなに変化するのがわからないしイライラした。aが、「ア」と発音したり、「オ」と発音したり、「アとエの中間」の発音をしたり、時にはそれをのばしたりと、見たままの発音がなされないことが苦痛であった。更にそれに輪をかけて、綴りの中には書いていても発音しないものがあるとかそういう無茶苦茶なことをいうものが多々あることが嫌で嫌でたまらなかった。また、生来、舌が極端に短くてどう頑張ってもRの発音が出来ないのだが、あう教師あう教師みんながそこが出来ないなら英語は無理だね、と馬鹿にするのも余計に英語嫌いに拍車をかけた。また、アクセントの位置が違うとまったく聞き取ってもらえないことも苦しかった。思い出す限りで英語に関しては苦痛しか思い出せない。
(だから大学に入ってドイツ語が、ローマ字よろしく書いた文字通りの発音しかしないいことには感激したし、ほとんどすべてといっていいほどの単語が最初にアクセントがあるので楽勝で読めるようになったし、発音を覚えればまず間違いなく書けるというのは嬉しかった)
とはいえ、、、英語が読めない、書けない、話せないというのは異常にハンデになるのがこの世の中だし、映画が字幕をなしで楽しめるようになればそれはそれで楽しいなだろうなとは思う。
なので、この本のように、ちょっとした短い一ページたらずのエッセイと、それに対訳がついた本というのは、その英語へのとっつきという意味ではとても嬉しくてありがたい。もちろん、エッセイだけだったらそれほど惹かれないかもしれないが、この本のようにそれが写真集としても優れていれば、もう言う事はない。
この本は京都の大原での自然やガーデニングをテーマにしたエッセイつきの写真集であり、同時に優れた対訳つきの英語のエッセイなのである。見開き一ページごとに英文と和訳。そして写真の数々。素晴らしい。
しかも、、この本には彼女のエッセイの朗読DVDまでがついてくるのだ。
もし、中学校の頃の学校英語の教科書がこういうのであったなら、ひょっとしたら僕は英語を好きになったかも知れない。
まぁ、たぶん苦手だったとは思うけれど、ちょっとそんなことを思う一冊でした。

ベニシアの言葉の宝箱 (猫のしっぽ カエルの手)

ベニシアの言葉の宝箱 (猫のしっぽ カエルの手)