小説・漫画好きの感想ブログ

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「機動戦士ガンダム サンダーボルト」2巻 感想

ガンダムはやっぱり熱いよ!!  
実は、入院中にガンダムに乗る夢を見ました(笑)
実際の戦争の好き嫌いによらず、男の子にとってはかっこいいメカに乗って宇宙を駆け巡るというのはある種一つの夢なわけだし、ガンダムっていうのはまぁなんていうか、そういう夢のさらに象徴的なものなのです。
バーニアを吹かして、超高速で自由自在に機体を操りながら、敵と臨機応変に戦う。近距離ならサーベルをもって、遠距離ならビームライフルをもって右へ左へと酔いそうなくらいクルクルと回転しながらの飛行はアドレナリンが出まくりで、燃えるものがあります。

で、そんな夢を見たのはきっと間違いなくこの漫画を読んだせいです。
機動戦士ガンダム サンダーボルト」
これは、アニメの「機動戦士ガンダム」つまりは一番最初のガンダムの時代のサイドストーリーです。ゼータでもなければ、ダブルゼータでもなく、ユニコーンでも、ウイングでも、00もつかない、最初の最初の、アムロやシャアが活躍する、俗に「ファースト」といわれるガンダムの時代のお話です。そして、きわめつきに熱い戦場の物語でもあます。
あのアニメの中で語られていた、地球連邦軍ジオン軍との戦い。あれは作中でもしばしば触れられていたように、何もホワイトベースとシャア達が戦っているだけの時代ではなく、その背後には、当然のように莫大な量の局地戦の積み重ねがあります。第二次世界大戦がノルマンディーだけであったわけでなく、ロンメルの戦線があり、日本軍との戦争があり、独ソの戦闘があり、南方戦線があり、中国本土での広大な消耗戦があったように、大量のエリアで同時に戦闘が繰り返されていたわけです。この物語も、そんな風なあまたある戦場の一つ、サンダーボルト宙域という宇宙船やコロニーや戦艦の残骸の吹きだまりのような場所での、連邦軍とジオン軍の戦いを描いています。
ジオン軍は、特殊技術開発の研究課のスタッフとともに、ダリル・ローレンツという青年が凄腕のスナイパーとしてザクとザクより巨大なビッグガンというライフルを操り、連邦軍の艦船やモビルスーツを次々と落としていきます。一方、連邦のほうはムーア同胞団という旧コロニーの生き残りたちが本国の学徒動員の少年兵たちとともにそれに当たります。そして、ジオンにダリルがいるように、こちらには旧ムーア市の市長の息子であるイオがフルチューンしたフルアーマーガンダムを駆り、敵をどんどんと落としてゆきます。
どちらも、エースでありつつも、型破りで破滅型のモビルスーツに乗っているときに精神が高揚する根っからのモビルスーツ乗りで、いざ戦闘となると、それぞれにあるしがらみも思いも何もかもを捨ててひたすら戦闘にのめり込んでゆきます。その戦闘の勝利のためには味方を見捨てることも、囮にすることも、盾とすることも厭わず、それでいて、その悲しみも怒りもそのすべてを戦闘に傾けていく姿は、いわゆる子供の漫画のスピンオフというようなレベルでなく、よく出来たミリタリー映画、戦争映画のようでものすごく熱いです(もちろんよくできた映画のそれのように、それぞれのパイロットにはそれぞれロマンスまで存在しています)
よく出来た戦争映画のように、戦争の悲しみ、愚かさ、理不尽さをあらゆる表現と演出でしっかりと描いています。これは男性であれば、あるいはそういうのが好きな女性なら絶対にはまる作品だと思います。

また、ガンダム好きにとって嬉しいことには、この作品では、モビルスーツが非常に格好良く描かれています。フルアーマーガンダムはもちろん、ジムキャノン、ガンキャノン、ザク、ザクの高機動型、ドムそれらが全て格好良く描かれているのです。普通、30年も昔のロボットデザインなんて古くささを感じずにはいられないし、ロボットですら頭身アップがスタンダードになってきている昨今において、あの無骨で重々しいデザインであるのにも関わらず、この作品では、ガンダムが、ザクがとても格好良いのです。
これを読むと、ガンダムに乗りたくなるし、ちょっと昔を思い出してガンプラを作りたくなります。この「ガンダム サンダーボルト」はそんな作品です。1巻はエースパイロット同士の戦いでしたが、この第二巻はそれぞれの艦隊の旗艦までが参加する総力戦が描かれます。熱い迫力ある戦い。ガンダム好きだった人には、是非、おすすめです。
、、、まぁ、興味ない女子にはガン無視で、引かれるかも知れないけれど。


機動戦士ガンダム サンダーボルト 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

機動戦士ガンダム サンダーボルト 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

同時に発売された立体モデル。こちらは、ホビージャパンから発売です。