なぜ水を飲むだけで太るのか 感想
「わたし、水だけで飲んでも太っちゃうんですよね〜」
という女の子に、「そんな筈はないでしょ」「きっと甘いもの食べたり完食したりしているでしょ」「水はカロリーがないんだから」とツッコミを入れたことは誰にでもあるだろうし、この本の著者も、お医者さんであるからそう思いつつ肥満の方の対処をしてきたそうである。
しかし。
科学的なエクササイズをしても、カロリー制限をしても、どうしても体重が減らない/とても減りにくい人というのがいるということで、著者はその考えを改めて色々と研究したそうである。そして、「水だけで太る」ということもあながち間違いでないことを発見する。
確かに、水はカロリーがないから、脂肪になって体重を増やすことはない。
しかし、身体に水分が余分にたまる、むくんだ状態がすすめば、痩せない、太った状態になることはあるのである。では、何故そうなってしまうのか、それはホルモンの異常であるらしい。女性に特に多いようだが、ホルモンバランスの悪化によって、更年期障害が起こったり、肥満になりやすい、ということは確かにあるらしく、欧米では今までのトレーニング的なエクササイズや、加圧トレーニング、食事療法などでも体重が減らない人に対して、栄養のサプリメントを与えるのではなく、ホルモンの投与によって解決を図るという手法が流行しつつあるというのである。
確かに、理論だけ読むと、なるほどそういうこともあるのか、と納得するし、ダイエットでなかなか体重が落ちない人たちにとっては、「渡りに船」というか「わらをも掴む気持ち」というか、飛びつきたくなる話だと思う。
けれど、、、これ、今の段階ではどうなんだろうなぁ。
と、僕は若干の危惧を覚えなくもない。
この理論がどれだけ本当のことなのかまだまだ実験が追いついていないし(レーシックやインプラントと同じでまだまだリスクもあるし現時点ではわかっていない問題もあるかもしれないし)、もしそれが正しかったとしても、ビタミンやミネラルのサプリメント同様に、理屈が正しくてもああいう形で栄養の補充をしていると、天然由来の食材から栄養を取れない・取りづらい身体になってしまうという弊害がここでも起こりそうだからである。
ただ、今までの常識を取っ払う、新しい学説という点ではなかなか面白い読み物だったし、これによってより健康になる人が増えるのであれば、それはなかなか素敵なことだなと思うので、紹介してみました。
- 作者: 大友博之
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/07/31
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