小説・漫画好きの感想ブログ

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「ころころろ」 畠中恵著 感想 

 しゃばけシリーズ第八弾、文庫では最新刊になります。
 今回は、主人公の一太郎(大店回船問屋の一人息子です)が、とある怪異に出会い、視力を失ってしまうことに端を発する連続短編集となっています。視力を失うことになったそもそもの事件は、彼がまだ小さかった頃の話ですが、不可抗力といっていいようなことで、そこをきっかけに彼は視力を失います。
 彼の視力を取り戻すために、彼の味方である二大妖怪の白沢と犬神はそれぞれに視力回復の手段とそれにかかわっているらしい目の神の行くえを追いかけます。視力を失ったままの一太郎を置いて、今回はこの二人(二匹)を中心にレギュラーの妖し達、そして最後には和尚までが登場してそれぞれの見せ場がある物語が展開致します。
 今までと違って、脇役たちが主人公になることで、スピンオフ短編集のような一冊に仕上がっている本書です。
 オススメ度はちょっと落ちて、5の3.5です。