小説・漫画好きの感想ブログ

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信長協奏曲6巻 感想

信長協奏曲」6巻  石井あゆみ

 ゲッサンで大人気の「信長協奏曲」の最新刊です。
 浅井長政の裏切りのあと、伊勢ルートで逃げ帰る信長というのが史実のこのあたりのストーリーです。それは大筋のところではこの本でも同じですが、その中身はずいぶんと違います。なんせ、この物語の信長は現代からタイムスリップしてきた少年が、織田信長本人の身代わりとなって生活しているからです。
 もとの信長はどうしているのかといえば、実は覆面をつけて明智光秀となって側近として暮らしています。その秘密が、この巻では敵方の間諜にばれそうになってしまいます。また、この物語では豊臣秀吉は、元忍者の下克上を狙うものとして登場するのですが、その彼も場合によっては信長を殺そうとします。
 そういうちょっと変わったアナザーのストーリーがこの物語では展開します。
 ifの物語では、その変化の激しさだったり、敵味方の大きな変化や、設定が違うけれど歴史自体の力がそれを修復しようとするところに読みどころがあるわけですが、この物語もその例に漏れず、タイムスリップというSFものであるにも関わらず、物語的にはうまくif物、それも一風変わったif物として進んでいきます。
 もともとが少女漫画出身の方なので、男性読み手からするとタッチもちょっと独特で、そのあたりもまた物語の特殊性に色を添えています。けっこうオススメの漫画です。