小説・漫画好きの感想ブログ

小説・漫画好きの感想ブログ

「純潔のマリア」2巻  石川雅之著 感想 

 純潔のマリア 2巻感想です。
  もやしもんの作者が描く、百年戦争当時のフランスを舞台にしたファンタジー漫画。主人公のマリアは、いわゆる魔女。魔法を使って病気を抑えたり、薬草を煎じたり、使い魔を使って戦争をやめさせたりを生業にしています。普通の魔女と違って、戦争そのものをやめさせたいと思っているちょっと変わった魔女です。普通の魔女は、戦争の援軍や相手国の兵士をたぶらしたり使い物にならなくしたりするのを生業にしているので、戦争そのものを局地戦にしろなんにしろやめさせよう動くマリアは目の上のたんこぶのようなものです。
 しかし、一般の人々にとっては戦争反対のマリアは庶民の味方となります。が、そうした戦争をとめるための介入に一番反対し、強制力をもってそれを食い止めようとしたのは天使達の長ミカエルでした。1巻でマリアの前に現れたミカエルは、彼女に対して拘束と呪いをかけます。それは、戦争に直接介入した場合、彼女自身に死をもたらすという死の警告と、彼女が純潔を失った場合には魔女としての魔力そのものを彼女から奪うという厳しいものでした。
 つまり、彼女はミカエルによって、肉体関係を持つことと魔女として生きる事の両方を禁じられます。
 マリアは、自分のことを脇に置いた上で、人々がキリスト教の教えに従い、天の国の助けや庇護を求めているのにどうして何もしないのかとミカエルに詰め寄りますが、ミカエルは地上の行為には天国や神は一切関わらないと名言します(実際、キリスト教の公式見解はこの通りです)。かくして、マリアは影でこっそりと動いたり、お目付役としておいていかれた天使の目を盗んで人々のために動くことになるのですが、、、、それだけでは出来ることもたかがしれています。
 そして。
 この二巻では、彼女は大規模な戦争で命をなくし続ける人たちや周辺の民のために魔力を使って戦争介入します。その瞬間、彼女のもとには、ミカエルの魔の手(といってしまうとキリスト教徒に怒られそうですが)が伸びて行きます。果たして、彼女の運命は。。
 なかなか面白く先が楽しみな漫画です。

純潔のマリア(2) (アフタヌーンKC)

純潔のマリア(2) (アフタヌーンKC)