小説・漫画好きの感想ブログ

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「スティーブ・ジョブズ 神の遺言」 桑原晃弥著 感想 

スティーブ・ジョブズ 神の遺言」 桑原晃弥著 感想  
 
 スティーブジョブズの色々なエピソードや行動から学ぼうという感じの新書だけれど、、タイミングがいかにも悪く、急いで作り上げた感じが漂ってしまうのが残念。
 スティーブ・ジョブズという稀代の天才を追いかけたにしてはありきたりな情報しかのっていないし、読み物としての深みや人生を追いかけるという意味では後発の「スティーブジョブズ」伝記と比べると明らかに見劣りしてしまう。また、編集的な見地から言えば、一つのエピソードから見える一つの教訓というパターンでいくなら同じような教訓をいくつかのエピソード(しかも章をまたいでとびとびに)で繰り替えすのは頂けない。年代記的に扱うなら扱う、人間としての深みや経営指針、哲学を扱うならそれごとに章をわけて扱って欲しいという気がする。
 ただ、スティーブジョブズについてほとんど知らなかったというような人、例えばジョブスが一度はアップルを追放されたことや、「トイストーリー」のピクサーの社長であること、ビル・ゲイツに対してのスタンス、法律を変えてまでも教育の場にパソコンを普及させようと頑張っていたこと、圧倒的な戦闘力をもつネゴシエーターだったこと、こういう事を知らなかったような人であれば、断片的なそれらのエピソードも一つの時代を大きく切り開いて人類に貢献した彼を深く知る為のきっかけにこの本は役に立つかも知れない。

スティーブ・ジョブズ 神の遺言 (経済界新書)

スティーブ・ジョブズ 神の遺言 (経済界新書)