「少女不十分」 西尾維新著 感想
西尾維新の新作小説。
帯に「この小説を書くのに10年かかりました」とあり、それで手に取ってみましたが、、、出だしから中盤の手前までがとにかく読みにくくて読みにくくて何回か投げそうになりました。前置きが長いし厭世的だし話は遅々として前に進まないしで投げたくなりました。
けれど、物語が過去の回想、今回の小説のところに戻ると、そこからは西尾維新本来の湯読みやすさリーダビリティ発揮で、笑うべきか突っ込むべきかわからないシチュエーションが延々と続く不思議な世界が展開されます。
当時大学生だった「僕」は、ある日、一人の小学生がトラックでひき殺されバラバラになるシーンと、そのときに死んでしまった少女の友達だった女子小学生の奇妙な振る舞いを見てしまいます。彼女は、友達が死んだというのにそのときにやっていたゲームをしっかりとセーブしてから、バラバラになった友達のところに涙を流して駆け寄ります。まるで、それがあくまで演技だったという風に。
そして、それから一週間ほどたって、その少女は異常な行動で「僕」に接触してきます。そして、、、果たして、彼女は狂気に犯されているのか、それとも、、。
ネタバレしてもいいんだけれど、これは何も予備知識なくして読むのが正しい小説だと思います。ただし、面白い、いやこの小説を面白いといってしまうと語弊があるのかも知れませんが、そのあたりまで読み進めるのにはかなりの忍耐力が必要です。それだけは覚悟してください。そこさえクリアすれば、ちょっと複雑なテイストと読後感をもつ小説がその姿を現します。
- 作者: 西尾維新,碧風羽
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/09/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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