小説・漫画好きの感想ブログ

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石原伸晃幹事長も「同時多発テロは歴史の必然」と発言、大失言

いったい日本の政治家はどうなっているんでしょうか。
 10年前の明日、9.11に起こった世界同時多発テロ。アルカイーダを中心にした原理主義のテロリストたちが、アメリカをターゲットにした世界同時多発テロとされています。これについて、自民党の石原伸晃氏が以下のような発言をしましたが、、、これ大問題だと思います。
 世間的には、「必然」とした事が問題だとされていますが、僕は問題はそこではないと思います。それよりも、これが読みようによっては宗教というのは(特にイスラム教というのは)戦争をするのが歴史的に避けられないものだという風に普通に取れてしまうことが問題だと思います。よく世間では新興宗教はインチキでお金儲けの手段であり騙されるものは愚かであり悪質な存在であるとされます。多くはその通りなのですが、だからといって、古い宗教だから正しいというものではもちろんありません。悪魔崇拝などは、非人道的というか危険なものが多いのは言うまでもありません。だから宗教だから正しいというのは間違えている、その価値をどう見るかによっては害悪であるかも知れないし救いかも知れないものであるというのが正しい見方だと思います。そこを、キリスト教が世界を支配していることに対して、イスラム圏というのが反撥するのが歴史の必然だとすると、イスラムとキリスト、彼の頭の中にヒンドゥー教や仏教や神道がどうあったかはわかりませんが、少なくともこの二つが戦争の原因になるのは避け得ないものだという風にナチュラルに発言したのは、一個人としてはともかく政治家としては非常に大失言なのではないかと思います。
 そういう意味でこの発言はひどいです。
 政治家の言葉の選択の重みや、人として人を尊ぶ、相手の文化を尊重するという部分がここのところどんどん薄れている昨今の状況にさらに追い打ちをかけるひどい発言だと思います。まぁ父親が石原慎太郎であり、まだまだ被災の苦しみが続くさきの3.11の東日本大震災原子力発電所の事故の被ばくをさして「天罰だ」と言い捨てた男ですから、血は争えないとも、そういう人としての優しさや思いやりのない価値観の家族なのかなと思います。

<米同時多発テロ>自民・石原幹事長 講演で「歴史の必然」
 自民党の石原伸晃幹事長は10日、青森県弘前市で講演し、11日で10年を迎える米同時多発テロについて「歴史の必然として起こった出来事ではないか」と述べた。鉢呂吉雄経済産業相の「死の町」発言などが問題化した中、野党幹部として同時テロの犠牲者への配慮を欠くとの批判を浴びそうだ。
 講演で石原氏は、01年の同時テロ発生時に閣僚として首相官邸に駆けつけた経験を紹介した。その際に「あのテロは産業革命から続いた西洋文明の支配、ピューリタニズムに象徴されるキリスト教支配へのイスラム圏の反逆、そして歴史の必然として起こった出来事ではないか」と指摘した。
 石原氏は講演後、記者団に対し「歴史の解釈への持論を述べただけで、決してテロ行為を肯定したわけではない」と釈明した。

彼にしてみれば、リビアカダフィ大佐への空爆も、イスラエルに加担してのパレスチナ人虐殺も、イラクへの多国籍軍の蹂躙とも呼ぶべき攻撃も、すべては歴史的な必然の宗教戦争の起こるべくして起こった一ページでしかないのでしょうね。ウサマ・ビンラディンが最後に死体すら残さない形で処理されたことも。炭疽菌攻撃で死んだ民間人も、あの貿易センタービルで死んだ人も、テロは肯定しないけれどなるべくしてなったということなのでしょうね。