小説・漫画好きの感想ブログ

小説・漫画好きの感想ブログ

関西電力 日本最大のメガソーラー・太陽光発電所稼働 

関西電力が日本最大級の太陽光発電所を大阪・堺市で稼働させました。
 堺市ということでシャープ製の太陽光モジュールを使っての官民財の一体事業であることや、脱原発に向けての実現の可能性を探るということなどの意義も大きいが、個人的には以下記事のように蓄電池と並行稼働させることにも興味はつきません。これが上手く機能するようであれば太陽光電池や風力発電などのいわゆる自然エネルギー・再生エネルギーの既存電力網への電力供給が現実的になるということで、注目しています。

堺市と関西電力との共同事業である堺太陽光発電所は9月7日、電気事業法に基づく使用前自主検査を終え、全区画が営業運転を開始したと発表した。これにより、同発電所は国内最大の太陽光発電所となる。
同発電所は2009年12月に建設を開始し、今年10月に全区画の営業運転開始を目指していたが、工程を約1ヵ月間の短縮することができた。
同発電所の敷地面積は約21ha、出力は1万kW、発電電力量は約1,100万kWh/年(一般家庭の約3,000軒分相当)、CO2削減量は約4,000トン/年となっている。

 堺太陽光発電所の完成を受け、関西電力は「蓄電池を用いた電力需給システム」の研究を開始する。
 なぜ、このような研究が必要なのだろうか。電力会社は系統電力の品質を確保する必要がある。太陽光発電は、1日の間に出力が大きく変動する他、気象条件により細かく出力が変わる。このような電力が系統に流れ込むと、周波数が変化する。つまり品質が低下してしまう。太陽光発電の規模が大きくなればなるほど、品質の低下が目立ち始める。そこへ、蓄電池を「バッファー」として使い、品質維持を試みる*2)。
関西電力は研究の目的を3つ挙げている。「太陽光の大量導入に対応できる需給制御システムの研究」「需給制御用としての蓄電池の適正評価および寿命評価」「太陽光の規模に見合う蓄電池容量の評価」である。
 堺太陽光発電所は、石津川変電所(大阪府堺市堺区)を通じて、系統と連携している。同変電所には約7万kWの負荷(顧客)がある。変電所内に容量約100kWhのニッケル水素二次電池モジュールを置き、2013年度まで検証を続ける。
 石津川変電所と太陽光発電所の関係 堺太陽光発電所は変電所内の22kVの系統に接続する。変動分は上流の77kVの系統に影響を与える。そこで、系統の周波数(品質)を測定し、負荷の潮流を計測し、6.6kV系統に接続された蓄電システム(インバーターとニッケル水素二次電池)を制御することで、周波数を維持する。
 蓄電システムでは、川崎重工業が開発したニッケル水素二次電池モジュール「ギガセル」の「系統安定化向けモジュール」を48台直列に接続して使う(図4)。電池モジュールと系統は出力250kWのインバーターを介して接続する。
 蓄電システムの外観 川崎重工業のニッケル水素二次電池モジュール「ギガセル」を48台直列に接続した。モジュール1台の重量は約140kg、10個の電池セルを内蔵する。
 今回の取り組みは、関西電力と日新電機、川崎重工業の3社による研究開発の一貫である。日新電機が制御ソフトウェアの開発評価と電力変換器の作成評価を担当し、川崎重工業が電池管理装置の製作評価、ニッケル水素二次電池の製作評価を進めている。3社は2013年3月まで電力貯蔵装置の研究開発を進める予定だ。2010年10月には3社が容量50kWの「多機能電力貯蔵装置」を開発している。電力ピークシフトと瞬時電圧対策、停電対策に役立つという。