小説・漫画好きの感想ブログ

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「秘宝迷宮 - 魔界都市ガイド鬼録」 菊地秀行著 感想 

 菊地秀行魔界都市ガイドものです。
 魔界都市<新宿>のガイドを生業とする外道忘八が今回同行することになったのは、謎の古代文明のお宝探しをするヤクザの組長と美貌の女性民俗学者。行きがかり上、彼らとともに新宿に散らばるお宝の隠し場所を手がかりを求めてまわる彼だが、今回は初っぱなからの大苦戦で、最初の隠し場所で忘八は魂を抜かれてしまいます。人間なら本来持っている筈の魂を抜かれて、理性と根源的な感情だけで動く忘八。いつもと違って、残酷で、自分勝手で、という忘八もなかなか興味深いです。
 ただ、今作に限っていえば、主人公級に大活躍でキャラが一番たっていたのは冴場という女助教授。彼女、実は「エイリアンシリーズ」の太宰ゆきと血縁の模様。お宝と聞くと理性がなくなる彼女と共通点の多い彼女のキャラクターには、なにかとニヤリとさせられます。今回、ドクターメフィストも登場するんですが、そちらも彼女ほどの存在感は見せられずでしたし、ひょっとしたら今後も彼女はどこかのシリーズに出てくるかも知れませんね。
 

秘宝迷宮 - 魔界都市ガイド鬼録 (実業之日本社文庫)

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