「エンバーミング-THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN」6巻 和月伸宏著 感想
「るろうに剣心」実写映画化で話題の和月伸宏の、フランケンシュタインを題材にしたホラーアクション漫画「エンバーミング」最新刊です。
「稲妻の兄弟」と「ポーラルート」、そしてピーベリーやヒューリーと人間サイド。死体を改造した人造人間を要する三者がそれぞれの利害関係で戦う漫画ですが、今回はポーラールートの過去回想編で、ポーラルートの成り立ちとしてフランケンシュタイン博士と最初の人造人間ザ・ワンの過去、それとジョン=ドウの関係、死体卿の過去、そしてピーペリー博士の過去の恋の物語が語られます。
出だしがちょっとノレなかったこの物語ですが、ここにきて彼らの過去を知ることで俄然物語が面白くなってきました。単純な戦闘漫画も勧善懲悪の物語もそれはそれでありですが、全く違う価値観のもとでの激突や人としての倫理観や意識の在り場所が違う存在同士の戦いというのはより盛り上がります。
この話でいえば、死ぬということに誰も涙を流さず、違う存在にと作り替えられたり、人間よりより能力の高い存在にあえて自らなって不老不死やより社会に役立つ個人になることが価値観の上位におかれる、(普通の人間からみればマッドサイエンティストの巣窟の街)ポーラルートが描かれたことで物語の深みがぐんと増しました。
エンバーミング-THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN- 6 (ジャンプコミックス)
- 作者: 和月伸宏
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/08/04
- メディア: コミック
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追記:最初の男、ザ・ワンと、同じ和月伸宏の「武装練金」のヴィクターのセルフパロも面白いです。
追記2:緋村剣心役は佐藤健(仮面ライダー電王や、去年の大河の「龍馬伝」で人斬りの岡田以蔵役でした)、神谷薫役は武井咲だそうです。個人的には今一番推している福田沙紀や川島海荷、有村架純、北乃きいあたりを使って欲しいけれど合いそうな役がないので止むなしかな。