小説・漫画好きの感想ブログ

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「ごうつく長屋 樽屋三四郎言上帳」 井川香四郎著 感想 

 今日四冊目の紹介本です。
 今日はこちら宝塚では宝塚花火大会というのがある予定で、仕事が早く終わったのでポチポチと打ち込んでいます。さて。

 井川香四郎さんと言えば、「梟与力捕物帳」のほうのイメージが強いのですが、こちらの「樽屋の若旦那」を主人公にしたシリーズのほうも、町奉行ならぬ町年寄りが登場して市井の人々の事件を解決するという江戸時代を舞台にしたミステリ捕り物帳としてなかなかよくできています。
 主人公の三四郎は、もともとは遊び人だったのが、後に若くして年寄(あくまで役職の年寄りですよ、念のため)となっただけあって、さばけていて世事にも通じ、そのうえ正義感にも厚い人物として描かれ、彼のこだわりや信念が事件を解決したり世の中をいい方向に導いていくというのが大筋のお話です。
 ただ、主人公が町年寄りということで、歴史ミステリや、時代劇の魅力の一つである剣劇のおもしろみというのは少なめなので、人情話として読むのが正しい楽しみ方かなと思います。
 ただ、二巻目の今作は、ちょっと前作に比べるとインパクト不足なのも確かかな。第三冊目で評価が定まりそうです。

ごうつく長屋―樽屋三四郎言上帳 (文春文庫)

ごうつく長屋―樽屋三四郎言上帳 (文春文庫)