小説・漫画好きの感想ブログ

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高岡蒼甫 フジテレビ批判での解雇の是非

 なんだかんだでネット上では俳優の高岡蒼甫さんのツィッターやブログでの発言が話題になっていますね。テレビでは対象となったフジテレビをはじめ殆どといっていいほど取り上げていないですが、ネットの世界ではあちこちでこの話がされていますね。
 ロンブーの淳の発言が日和っていると言われたり、茂木健一郎が参戦したり、反原発で話題になった山本太郎もツイートしたり、奥さんの宮あおいさんの話が主人とは一線を画すと伝えたり、所属会社のスターダストプロモーションにまで批判の矛先がとんだり事態収束は一向に見えませんね(関西でも浜村淳さんが高岡蒼甫批判して、逆に批判されたりという流れまであります)。
 このままでいけば、8月8日はフジテレビを見ないというネットキャンペーンが実行されるでしょう(その結果については野次馬根性的に視聴率にどういう影響が出るのか非常に楽しみではありますが)し、いい意味でも悪い意味でも色々な方面に影響が出るでしょう。

 さておき、これだけの話題ですので自分も一言二言だけコメントをさせていただきますが、その前にこの問題をちゃんと考えるには、以下のことをわけて考える必要があると思われます。
 何を分けるかというと、論点としての、高岡蒼甫さんの発言内容それ自体が正しいのかと、発言の仕方それ自体が正しいのか、彼の解雇というの正当な行為か、またフジテレビの問題と密接に絡んでいる韓国という国と日本の関係の四つです。ネットの論調を見ていると一部には綺麗にそれらが分けられているものもありますが、多くは感情的な嫌韓流感情や、フジテレビそのものの韓国偏向報道姿勢、それから現実社会での韓国との経済的地政学的な摩擦や、人種差別なことが混同されているようにも感じられます。そして、それは、普通の感覚の人間にとっては、正しいか正しくないかは別としてこの問題に対して、二つの結論へと簡単に人を誘導する危険があります。二つとは、一つは、とにもかくにも感情的に嫌韓思想が強化される、もう一つは逆に高岡蒼甫の発言は一部跳ねっ返りの変わり者の発言でしかないというふうに問題がなし崩し的に無かったことにされてしまう、この二つです。色々な問題が入り組んで、そこに感情論や偏見や人種的なことまで複合されると、人は面倒くささから簡単に思考停止に陥ります。そして、より感情的に動くほうが脳科学的にはストレスが少ないので、そういう両極へと簡単に傾いてしまいます。それはどちらが正しいか正しくないかはさておき、非常に不幸なことだし、勿体ない事だと思います。
 高岡蒼甫に同調する意見のほうが多数を占めているのであれば、それこそ、彼の発言が一過性のものにならないように、きちんと考えることが大事だとも思います。
 
 少々前置きが長くなりましたので、話を本論に進めます。
 まず高岡蒼甫氏の発言内容そのものですが、発言内容の趣旨そのものは次の要点でいえば間違えているところはないと僕は思います。
 ・日本の放送局なのに、韓国プッシュが多すぎるのではないか。
 というよりは、あくまで個人の意見としてのツィッターである以上、嘘であったり、政治的に正しくないことであったり、道義的におかしい発言であったり、公序良俗に反したりするような発言、誰かをおとしめようという意図が見える発言でない限り、間違いというものはないと思いますし、これだけ多くの共感の声が集まる時点で多くの人が同じようなことを思っているわけで、問題はないでしょう。
 しかし、次のやり方について正しかったのかという点では、大いに間違っていると言わざるを得ないのが残念です。間違いは二つ、一つは組織に属したままで発言したということと、発言の台詞に品位配慮が欠けているという点です。というのも、彼はスターダストプロモーションという会社組織に所属しているわけで、韓国資本との事実的提携をしている会社に所属し、なおかつ商売相手としてフジテレビは会社にとってお得意様です。であれば、ああいう発言は許されるものではありません。例えば、中小企業の社員が自分の取引先や、取引国に対して公然と存在を全否定すれば、会社組織にとって、また同僚にとって迷惑がかかるのは当然です。ですから、順番が前後しますが、スターダストプロモーションが彼を解雇するのは企業としてはしごく当然のことで、逆にこれで業務に影響がでれば高岡蒼甫氏に内容の正否や正統性とは関係なく企業倫理の問題として賠償請求をかけても致し方ない(当然イメージダウンすぎて出来ないでしょうが)問題でもあります。
 ふつうに考えればそれくらいの流れが分かる筈ですので、今まで会社に所属していた恩もあるのであれば、普通はこの発言のあとの流れを考えて、まず自分で会社を離れた上でこういう発言をすべきだったというのが作法としては常識ではないでしょうか。内部告発であれば中にいることが大事ですが、一つの見解を述べるのであれば、それが当然の筋かと思います。内容が正しいけれど、やり方が間違っているとそう思います。そのことは、言葉遣いの問題とも密接につながっています。「正直、8は今マジで見ない。韓国のTV局かと思う事もしーばしーば。取り合えず韓国ネタ出てきたら消してます」「TV局の韓国おし無理。けーPOPてめーの国でやれ」「洗脳、気持ち悪い」という語調、言葉の選択があまりにも勿体ないと思います。
 せめて、「疑問がある」「洗脳のようで不快に感じる」「自国で云々」といっていればと思わずにいられません。内容が正しくても、言い方自体で「そういう言い方のレベルだと信用性や共感は出来ない」という層も多くなってしまい、とても残念です。また、芸能人ということで注目されるということを自覚されているならば、妻の宮あおいさんの発言引用などは、妻が日和見をしているように感じられるのもわかる筈で、一人の男性として残念だと個人的に(あくまで個人的な夫婦関係の理想像から)は感じます。
 続いて、スターダストプロモーションの解雇については、当然そうだろうと思いますし、一企業としては彼の発言の波紋と商売上の今後の各方面との関係から考えれば、それもやむなしと思います。高岡蒼甫一人よりも、他の社員や所属タレント関係者のほうがより優先されるのは当然ですし、そうしないほうが企業としては間違いです。
 (逆説的ですが、彼への共感が多く、彼を使って広告をうちたい、ドラマなどを依頼したいというスポンサーに大量に出てきて、他のタレントにも恩恵が出ると判断すれば彼を全力で守るのが正しい選択と言えるでしょう)
 最後に、韓国との関係です。
 正直、韓国との関係は今最悪になっていると個人的には思います。しかし、それらの事は日本に余裕がないことに原因があると僕は考えます。竹島対策のための鬱陵島への訪問に関する問題や、朝鮮総連の問題、在日外国人の中でもアジア系の犯罪率の高さや、半日教育や反日の法制化などといった問題が多々あることは当然なのですが、そのような事は世界各国を見ればどこにでもあることなのは明白です。先日のノルウェーでの乱射爆破事件、9.11事件以降のヒステリックなまでの各地の内戦、ヒトラー時代のユダヤ人排斥、などなどを見るまでもなく自国への外国人流入・文化侵食に対する軋轢は、どこの国でもあることです。また外国人の犯罪率が高いことと福祉・貧困との関わりはどこの国でも問題になっています。さりとて、世界が自分の国の中に外国人を入れない、自国ルールをゴリ押しする、鎖国的に運営することは、すでに不可能だしそのデメリットを受け入れてもなお世界はボーダレスする方向に動くコンセンサスは大前提です。また、文化侵略、経済的にということであれば、日本がアメリカの映画会社をどんどんと買収していき、町中にも日本のものを氾濫させていったりした事が多々あったと思います。けれど、それは悪意があるわけでもなく、定着するものは定着しただろうし、そうでないものは結果的に淘汰されていくだけなんだから目くじらを立てて対処するようなものではないと思います。勿論、フランスや諸外国の一部でやっているように、日本国として、外国語や外国映画・ドラマなどは、テレビやラジオの放送時間・文字数の何パーセント以下にするというようなことを法制化するというのならまた別ですが、現時点では全部の番組を韓流で統一したって問題はないし、アメリカチャンネル、ドイツチャンネルというようなものがあっても問題はないでしょう。それが需要と供給のバランスが取れなくなるなればゴリ押ししようが何をしようが続かないでしょう。そういう余裕を日本人が持てばいいだけだという気がします。
 (実際問題ここまで嫌がる人が多い以上、捏造であれ、在日の方や一部熱狂的なファンによって韓流に需要があるとしても、じょじょにそれらは減っていくだけでしょう)
 日本はもともと、そういう風な形でどこの国のものであれ、いいものはいいものとして取り入れ、合わない物は誰がなんといって制度として取り入れようとしても自然に残らない柔軟な誇るべき文化をもっているのですから、余裕をもって対処すればいいんではないかなと思います。
 
 ただ苦言でいえば、最近の韓流推しが目につきすぎるのは確かで、それを多くの人が感じられてこういう騒ぎになっているということは韓国側やこちらで子会社まで作って韓国権益を駆使するフジテレビもよくよく考えるべきことだと思います。
 カレーライスやパスタがやハンバーガーここまで日本に根付いているのは何故か、それは日本人の多くがそれを美味しいと認知して、日本風にアレンジして、ことさらに強烈にプッシュをかけないからこそ受け入れられているということをもう一度関係者は思い起こして欲しいです。ほとんどの日本人は、今ではカレーやパスタやハンバーガーなどは週に一回程度は食べるでしょう。それを別に日本食の文化破壊だとも誰も思わないし、アメリカやイタリアやインドのゴリ押しだとも思わないでしょう。ハワイツアーやハワイ番組、年末年始の芸能人のハワイ旅行なんてバンバンやっているけれど、別にそれがハワイゴリ押しで騒動になったりなんてしないでしょう(文化的云々というのであれば、そのハワイやらモンゴルなどから大相撲の力士さんがたくさん来て、役付きのお相撲とりが全員外国人という現状をどう見るのでしょうか?)。
 そういう意味でいうと、韓国プッシュについては相手が反日教育をしているということでより過剰に反応してしまっている部分があるとしても、そもそも論としてちょっと行儀が悪いやり方をしすぎているのかなと思います。
 
追記:韓国ドラマとかの方が面白いよ、という人たちも多いですが、個人的にはどちらもそれぞれに面白いとこはあると思いますが、より好きなのはメンタリティー的に共感できたり微妙なニュアンスがハッキリ伝わる国産のドラマや映画のほうが好きですね。「相棒」やら「ハンチョウ」などはシーズンごとに楽しみですし、今やっているドラマなんかでも「IS」とか大河とか見ます。この秋から冬にかけて「SPEC」の続編ドラマや映画化されるという話題にワクワクしたりします。日本のドラマも面白いですよ。
韓国ドラマは色々見たけれど結局印象にはっきり残っているのは「コーヒープリンス一号店」と「美男ですね(イケメンですね)」くらいかなぁ。偶然どちらも男装少女ものですが、それは面白かったです。けれど、他は色々朝昼に流れているけれど、引き込まれてずっと見たドラマっていうのがないです。わかりやすい筋書きに情感過多なくらいの演技はそれはそれで面白いとは思います。
 なので、追記以降の上の部分はあくまで個人的な感想です。