小説・漫画好きの感想ブログ

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「楊令伝」1巻 北方謙三著 感想 

 本年185冊目の紹介本です。
 怒濤の北方中国戦国史第四弾、「楊令伝」1巻です。
 「楊家将」「三国志」「水滸伝」に続く作品で、「水滸伝」のラスト、梁山泊での宋軍との一大決戦の数年後から始まる作品で、さらに国として病んで来ている宋、北で十六州を束ねる遼、そして女真族を束ねてつくられた金の三つどもえの戦いの中で、かつての梁山泊の生き残り達が再び結集して戦う姿を描く作品です。
 前作までは「水滸伝」という大きな下敷きがあって、多少枠がそれることはあっても、大筋では既存の枠に重なる歴史展開が繰り広げられていましたが、このシリーズはどうなることか全く予測がつきません。
 ある意味梁山泊を作り上げたものの、全く信望がない呉用。それに比較して、都若で第二世代の人物で前作ラストで姿を消したのに、登場人物全員に登場復活を渇望されている楊令。このあたり、歴史や、人というのは残酷です。
 おそらく二ヶ月もしくは数ヶ月おきには文庫で新刊が出ると思います。

楊令伝 1 玄旗の章 (集英社文庫)

楊令伝 1 玄旗の章 (集英社文庫)