小説・漫画好きの感想ブログ

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「コクリコ坂から」公開直前 宮崎吾朗氏、ジブリの方向性としてファンタジーからしばらく離れる 

 ジブリ宮崎吾朗さん(宮崎駿さんの息子さん)が、今後の方向性として、スタジオジブリはしばらくファンタジーから離れると話されたようです。まぁ、「ゲド戦記」の吾朗さんですから、世間的には何を言っているんだと相手にしていないようですが、僕が気になったのは彼の一言。
 「ファンタジーが語り尽くされて」というくだり。「ファンタジーが作り尽くされている時代。それに大震災という現実を前にすると、生半可なファンタジーは作ることができない。しばらくは現実に軸足を置いた作品作りになるのでは」と語ったようですが、この語り尽くされてというのは問題がありすぎるでしょう。
 国内だけを見てみてもお亡くなりになった栗本薫さんの「グイン・サーガ」もあれば、少し前にご案内した上橋菜穂子さんの「天と地の守り人」などもありますし、萩原規子さんもいます。新井素子もそうだし、作品によっては夢枕獏さんなんかもいます。星新一作品なんかもSFだけれどファンタジーの広義にいれていい作品もたくさんあるでしょう。海外に目を向ければ、ル・グィンをはじめ現役で執筆活動されている作家さんもたくさんいます。
 これらを置いておいて、語り尽くされた、作り尽くされたというのはあまりに傲慢でしょうし、なにより最近のジブリ作品は原作がまずあるというスタイルが比較的多いですが、そもそも自分の手でファンタジーを作り上げることが大事だと思うのです。
 特に、今、震災で心が痛んでいる子供たちには、夢のある、ワクワクドキドキがある、夢に見るようなファンタジーを今こそ全力で作ってあげて欲しいんです。別に「コクリコ坂から」が悪いわけではないし、こういうタイミングになってから決めたわけではないんで仕方ありませんが、自作は、夢のある作品を作って欲しいです。
 映画「コクリコ坂から」は、少女漫画原作ということでパラパラと事前に読みましたが、自分は映画を見にいくのはパス予定にしたので、なんともいえませんが。