小説・漫画好きの感想ブログ

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「う」1巻 ラズウェル細木著 感想 

 たぶん、世界で一番短いタイトルのコミックスです。
 タイトルは「う」。一文字です。
 「う」は、うなぎの「う」。
 この漫画は、いまだかつて存在したことがない「うなぎグルメ」オンリーの漫画です。今までも、ニッチなグルメ漫画というのはありました。グルメ漫画自体がいまや大人気ジャンルの漫画ですから、その中でも、お酒に絞ったもの、丼ものに絞ったもの、B級グルメに絞ったもの、そばに絞ったもの、などなどいくつかの狭いニッチの漫画が生まれました。
 けれど、「うなぎ」だけなんていうすごい狭い縛りの漫画は初めてだし、今後も出ないことでしょう。著者のロズウェル細木さんという方は、今までも「酒のほそ道」というロングラン漫画を描かれているので実力のほどは折り紙つきですが、正直、連載開始時には、このコンセプトは大丈夫なのかなぁと思いました。
 けれど、僕もそうですが、うなぎ好きの人に取っては、うな重、う巻き、肝焼き、蒲焼き、白焼きが出てきて、それを鰻愛に満ちた主人公が嬉しそうにほおばっているだけで幸せな気分になれる漫画で、これはこれで全然ありな漫画でした。見せ方がなくなるとかネタが尽きるとかそんなことは関係なく、読むとちょっとニヤリとして、ウナギを食べたくなる漫画としてずっと続いて欲しい漫画です。

う(1) (モーニングKC)

う(1) (モーニングKC)