小説・漫画好きの感想ブログ

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オーランチオキトリウムとは 脱原発の決め手になるか

 関西でやっている「たかじんのそこまで言って委員会」という番組で、勝谷誠彦がかなり吹聴している新エネルギーが、このオーランチオキトリウムという植物。お客さんにもちょいちょい、あの「オーランチキチキ」って結局どうなの? と言われるので、ウィキなどを借りながら簡単に説明します。
 あれは、いわゆる藻です。
 (植物学的にいうと、昔と今とでは随分と違うんですが、まぁ、そのあたりは突っ込んでいくとややこしい話になるので、今回はさらっと避けておきますので突っ込まないでください)
で、その藻がどうして話題なのかというと、今までもバイオ燃料としては、芋だったりサツマイモだったりサトウキビに比べると一部の藻が油を産出できるという事はありました(このあたりは知っている人と知っていない人の知識レベルがかなり違うのですが、一応前々から知られてはいたんです)。
 けれど、その藻の中でも、一番有望といわれていたボトリオコッカスという藻でさえも、炭化水素というきわめてガソリン的なものを直接作るものの、培養からガソリン的なものまですべてひっくるめてのコストは現在流通しているガソリンなどと比べるとまだ割高で、本当のオイル危機までは主力足り得ず、これを流通させるためには遺伝子改造をするなどして藻本体の油精製能力をアップするか、巨大な培養方式でのイノベーションが必要だと言われていました。
 いわんや他の藻類はトリグリセリド、つまり中性脂肪を産みだすものです。炭化水素であれば、それほど手間を掛けずに石油の代わりとして使えるのですが、トリグリセリドはそのままだと燃料として使えません。トリグリセリドをそのまま自動車に使おうとすれば、低温でエンジンの中で詰まったり、エンジンを錆びさせてしまったりする。せいぜいガソリンに1〜2%混ぜるといった使い方しかできなかったわけです。
 そこに出てきたのが、オーランチオキトリウムなんです。
 オーランチオキトリウムは、そのボトリオコッカスの10倍以上の生産能力がある、、つまりは普通に培養することでガソリンなみの価格でガソリン並みの油を生産できるんです。
 しかも、これを現実レベルに戻すと、日本の石油の一年間の年間消費量を生産するにはどれくらいの広さの培養地がいるかといえば、2万ヘクタールの培養地があれば足りるのです。これを膨大な面積と取るかそうでもないと取るかは人それぞれですが、今現在の日本の休耕地が38万ヘクタールであることを考えれば、国内の5%の休耕地を使えば出来ると考えると、全然大丈夫な範囲だと僕は思います。
 そして、もしそれが実際にはもっと面積がいったとしても、国内ですべての石油生産が賄えるのであれば、それは十分な価値のあるものだし、場合によっては、それがあれば電気の生産が全然OKということになるのであれば、脱原発、脱原子力発電所ということと利便性の美味しいとこ取りが出来るので、是非進めるべきだと思います。
 場合によっては太陽光発電と同時並行でもっと予算を取ってもいいかと思っています。ただ、問題はこれをいま積極的に推進してテレビで音頭を取っているのが、勝谷誠彦さんだというのがちょっとね^^

一応ウィキの抜粋も下にたたんでおきます。
オーランチオキトリウム(Aurantiochytrium)は水中の有機物上に、小さな細胞集団を作る微生物。無色ストラメノパイルであるラビリンチュラの一種である。炭化水素を高効率で生成・蓄積する株が発見され、「石油を作る藻類」として注目されている
他のラビリンチュラと同様、葉緑体を持たず光合成をしない従属栄養生物であり、周囲の有機物を吸収して生育する。本属は熱帯から亜熱帯域にかけてのマングローブ林や河口域など、海水と淡水の入り混じる汽水域を好む
細胞は球形で直径5-数十μm程度、細胞壁は薄い。増殖は基本的に二分裂による。分裂した細胞がそのまま連結し続けることで小型の群体を形成する。遊走子は2本の不等長の鞭毛を持つ。ラビリンチュラ類の特徴である細胞外細胞質のネットワークはあまり発達しない[4]。
細胞はオレンジ色に呈色する場合があるが、これは細胞内に含まれるアスタキサンチン、フェニコキサンチン、カンタキサンチン、βカロテンなどの種々のカロテノイドによる。このオレンジ色(aurantius; ラテン語 "橙黄色の")が属名の由来である[5]。他にアラキドン酸、ドコサヘキサエン酸などの不飽和脂肪酸(高度不飽和脂肪酸、Poly-unsaturated fatty acid; PUFA)が含まれる[4][2]。
炭化水素の生産 [編集]

本属を含むラビリンチュラ類が PUFA を蓄積することは以前より知られていた[2]ところ、特に高効率で化石燃料の重油に相当する炭化水素(スクアレン)を産生し細胞内に溜め込む株を筑波大学の渡邉信教授らのグループが発見し、2010年12月14日に茨城県つくば市で開催された藻類の国際学会 "Asia Oceania Algae Innovation Summit" で報告した[1][6]。この株は沖縄のマングローブ林において、水中の落葉表面から発見された[7]。この炭化水素からは、これをベースにガソリンなどを含めた石油製品を作り出すことができる。火力発電に使用する場合、培養したものをペレットにするだけで済み、精製する必要が無い。
炭化水素を作り出す藻類は他にも知られていたが、油の回収や処理を含む生産コストが1リットルあたり800円程度かかるのが難点だった。オーランチオキトリウムを利用することで、その10分の1以下のコストで生産できると期待されている[8]。これまで有望とされていた緑藻類のボツリオコッカス・ブラウニーと同じ温度条件で培養した場合、10-12倍の量の炭化水素が得られる。培養することで、1リッターあたり1グラムのスクアレンを3日で作り出すことができ、仮に深さ1mの水槽で培養したとすると、面積1ヘクタールあたり年間約1万トンの炭化水素を作り出せると試算されている。これは2万ヘクタールの培養面積で日本の年間石油消費量を賄える量であり、耕作放棄地(38,6万ha)などを利用した生産が考えられている[1]。
渡邉信教授・彼谷邦光特任教授らの筑波大研究チームでは、生活排水中の有機物を食べさせる実験や、二酸化炭素をボトリオコッカスに食べさせ、出てきた余剰有機物をオーランチオキトリウムの餌に使う実験も行っている。しかし日本で必要とされる量を賄う規模で培養するとなると、計算上では餌となる有機物が足りないため、デンプンをつくる藻類やイモなどのデンプンを利用する計画もある