小説・漫画好きの感想ブログ

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NHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国」22話 父母の肖像 感想

 上野樹里主演NHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国」を見ました。
 今週は、豊臣秀吉の後継者としての捨、鶴松を茶々が出産するシーン。秀吉が徐々に常軌を逸していくシーン。また、向井理徳川秀忠として初登場するシーン。利休と徳川家康との茶室でのいろいろと含みを持たせての会話シーンなど見所が満載でした。
 また絵的にはそれほどでもありませんでしたが、豊臣の跡継ぎたる男子を生んだ褒美として、茶々が求めた浅井長政お市の方の追善供養式典のシーンは、秀吉の茶々への愛情を現す演出として、なかなか良かったのではないかと思います。
 話戻して、今週はいずれのシーンもが捨てがたいシーンでしたが、一番のインパクトが、向井理演じる徳川秀忠の登場シーンであることに異論がある方はいないでしょう。あの性格のねじ曲がった感じ、酷薄きわまりない人格を感じさせる話し方、いずれもが強烈な印象を残しました。
 今回の大河ドラマって、ここにいたるまで、本当の意味での悪人というか、普通の人格を有していない極悪人的なキャラクターが一人もいないという戦国時代ドラマにしてはあり得ない作品だったのですが、ここでようやくと腹黒いを通り越して悪のキャラクターがようやくと出てきました。
 向井さんってもともとが甘いマスクの持ち主で、他の役のときにはどちらかというと茫洋としていたり善人っぽいどこか抜けている役が多かっただけに、今回のいかにも鼻持ちならない皮肉屋な風情はギャップが激しくて、どんなキャラクターになっていくのかがとても興味深いです。
 今週の追善供養エトセトラで、浅井三姉妹はある意味全員秀吉にとりこまれた(江ですら、すでにかなり取り込まれている)ような雰囲気だけに、画面がびりりとしまる登場人物が出てくることはドラマツルギー的によいことです。北大路欣哉演じる徳川家康は思慮深いし腹黒そうに見えるものの、ここまでのドラマの中では結局は優柔不断で日和見なだけに見えるので、そのぶんの期待も大です。