小説・漫画好きの感想ブログ

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映画「プリンセス・トヨトミ」感想 

 見て参りました。映画「プリンセス・トヨトミ」。
 万城目学さんの小説が原作なのですが、この方の原作を読まずに映画というこのパターンは、「鴨川ホルモー」に続いて二回目ですが、前回も今回も期待を裏切らずに楽しませてくれました。
 ネタバレにならない程度にあらすじを紹介すると、会計監査院第六局に所属する松平(堤真一)、鳥居(綾瀬はるか)、ゲーンズブール(岡田将生)の三人は、会計実施監査の為に大阪へと向かう。彼らは、大阪府庁をはじめ、いくつかの団体の記録をチェックしていくが、その中の一つ「O.J.O」という組織のところで、松平は奇妙な違和感を覚える。そしてその違和感とズレが気になる松平は「O.J.O」に対する調査を始める。
 一方、鳥居はたまたま知り合いになった性同一性乖離障害に悩む大輔というセーラー服を着た少年と、彼の友達の茶子(沢木ルカ)という美少女と出会う。実は彼女こそ「O.J.O」とも密接に絡む秘密を抱えた少女なのだが、彼女と鳥居の偶然の行動が大阪全土を巻き込む大騒動の原因となる。彼女の失踪を契機に、大阪は全停止、すべての交通機関や行政、商業がすべて完全に停止したのだ。果たして、彼らの運命はいかに。
 
 ネタバレしないように書けるのはここまでなんですが、この映画には大阪の隠された秘密が出てきたりしてなかなか楽しめます。大阪国の人々の大量のエキストラ動員もそうですが、こういうバカバカしいお話は、バカバカしいからこそ大真面目に演じるのがよくて、そういう意味では、堤真一中井貴一の二人の顔芸といってもいい演技のおかげでちゃんと楽しめる映画にしあがっています。
 爆笑というのとは違うのだけれど、ところどころの小さなボケに、わざとらしいくらいの大きな仕掛けと大仰な演技、そしてちょこちょことはさんでくる繰り返しの笑い、ニヤッ、クスリ、そしてちょっとホロリ。どこかなじみのあるこのパターンは、まさに吉本新喜劇のお笑いドラマの王道パターンそのままで面白かったです。あ、でも、ってことは、大阪国はもちろんのこと関西人以外の人が見て、同じような感じで楽しんでもらえるのかがちょっと気になるところではありますね。
 東京の人がテレビドラマとか映画で、この路地知ってるとか、この景色知ってる、このエリア自分もときどき行くよね、というような感覚と、若干この映画の大阪は感じが違うので土地の人が自分の土地が出ているから少し嬉しいというのとも、またちょっと違うんですが、うまく伝わっているかどうか、、、、。
 ともあれ、この映画、予想していたより、とても楽しめました。
 予備知識なしに見たので「プリンセス・トヨトミ」=綾瀬はるかなのかなと思っていたんだけれど、全然違う話でしたし、これは予備知識なしでみたほうがきっと楽しめます。

 http://www.princess-toyotomi.com/

 追記1: 関西ローカルの人にとっては、FNNスーパーニュースANCHORの山本浩之氏がそのニュース番組がうまく作中で使われているシーンでもニヤッとさせられたと思います。

追記2:ナタリー・ポートマンの「ブラックスワン」を見にいった筈なのに、どうしてこれになったのかは単なる時間の読み間違いだったんだけれど、結果論的には楽しんだからマルでした。行く前に昼間から吉永小百合笑福亭鶴瓶蒼井優の「おとうと」を見て急に映画に行きたくなったから、邦画が無意識に見たかったのかも知れません。