小説・漫画好きの感想ブログ

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NHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国」21話 豊臣の妻 感想

 上野樹里主演NHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国」を見れました。
 先週の、異常に盛り上がった秀吉と茶々の抱擁シーンから一週、今週は早くも茶々懐妊ということで話はさらに加速しておりました。
 茶々と秀吉が情を通じてしまったことが、どうしても感情的に許せない江。
 その江が、政所様や秀吉、姉の茶々に怒りをぶつけます。まぁ、これは本人視点にたてば、絶対に許せないし、納得はいかないでしょうね。なんのかんのいっても両親の仇、しかもいまだ純血の江からすれば、相手はヒヒ爺いのような存在、どうみても姉が無理矢理騙されて手込めにされたようにしか感じられないのも無理はありません。回りが、それを素直に受け入れたり、豊臣の子を産むという一事をもって慶賀すべき事としてことほぐことは、彼女にとっては茶番であり汚いことにしか見えなかったでしょうね。画面上の年はあれとしても、実年齢ではまだまだ子供の江ですからね。
 あと今回あらたに思ったのというか感じたのは、秀吉の喜びようの激しさ。今までいろいろな本や漫画や教科書で、茶々が彼の子を生む事、その嬉しさに秀吉は大判を6000枚も諸侯にふるまう大盤振る舞いをするという事を知ってはいました。しかし、このドラマを見てはじめて、そこに実感が湧きました。
 農民の出であるのに、織田の家中に入り、武勲をたて、時の勢いにも乗り、関白となり、武家を掌握し、天皇家ともつきあいができるようになった彼にとっては、自分の子が、他の大名には普通にたくさんいるのに自分だけにはいなかった豊臣の血をひく自分の子が出来るということがどれだけ嬉しかったことか、それが伝わってきました。
 そして、その最初の子を作ったのが、あれだけたくさんの側室を作ったにも関わらず子を生したのは茶々が最初だったことを思えば、秀吉にとっては茶々はそれこそ遺伝子レベルで身体が求めた運命の人そのものだったのではないかと、ちょっと生物学的なことを思ったりもしました。あの時代の武将にとっては、なにはなくとも、自分の血を残すこと、家系を絶やさぬ事が今とは比較することもできないくらい重要で、子供が出来なかったら離縁されるのも当たり前、子供を作る為にはたくさんの側室を作ることが半ば仕事でもあったのに、天下人になりながらも子供がいなかった秀吉にとっては、茶々こそは何よりも尊く価値がある天が遣わした人に見えたでしょう。そう考えると、茶々の母親のお市の方に引かれたのも、内なる遺伝子の働きかけだったのかも知れません。
 そして、そこに恋愛感情がどちらが先かは別として激しく加わったとしたら、おねさまでなくても、それはもう傍ら見るのはあきらめと嫉妬と憎悪にならざるを得ないのも必然ですよね。
 ようやくというかなんというか「姫たちの戦国」らしくなってきました。
 戦闘シーンや合戦シーンがほとんど見られないのは確かに残念ですが、これはこれでかなり面白くなってきました。つまらない大河ともっぱらの悪評判の今年のドラマですが、個人的には面白いです。
 
さーて、体調もちょっと戻ってきたし、続けて「JIN -仁-」と「マルモのおきて」を見てみますか。芦田愛菜ちゃんはどうだっていいんだけれど、大人気ということと、あの「マル・マル・モリ・モリ!」のキャッチーさでちょっと興味が出てきました。