小説・漫画好きの感想ブログ

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「フランキー・マシーンの冬(上)」 ドン・ウィンズロウ著 感想 

 本年103冊目の紹介本です。

 ひさびさの海外ミステリです。
 今この次期にドン・ウィンズロウを紹介するならハヤカワから出ている「サトリ」のほうが旬なんですが、基本的には文庫メインなのでこちらに(あちらも、トレヴェニアンの名作「シブミ」の前日談ということで絶対に読まないといけないのですが・・)。
 こちらは、「犬の力」に続いて、ドン・ウィンズロウ節が炸裂しているピカレスクものです。かつては凄腕の殺し屋と言われた、フランク・マシアーノ。彼は、今ではほぼ現役を引退し、魚の餌屋や、リネン・サービス、魚介の卸元などいくつかの全うな表の顔を持ち生活しています。彼を知る人間の大半も、彼がもとはイタリアマフィアの殺し屋であることを知りません。
 そこへ、昔のボスの甥っ子がとある事件の調停役を引き受けてくれと彼のもとへやってきます。最初は顔だけ出せば、一応形式的に義理は果たせるかとだけ考えていたフランシーでしたが、実はそれは彼を暗殺しようと考えたある組織の罠だったのです。彼をはめて殺そうとしたのは誰か。
 身内を遠くへ逃がしたあと、静かに彼の捜査と復讐が始まります。。。
 ということで、まだ上巻を読み終えたところなのですが、いたって高いレベルでドン・ウィンズロウという名前の期待にたがわぬ面白さを提供してくれていますので、下巻にも大いに期待がかかります。