小説・漫画好きの感想ブログ

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「恋する世界文学」 佐藤真由美著 感想 

 本日100冊目の紹介本です。
 まぁ、世紀のロイヤルウェディングにあやかってというわけではないですが、恋愛に関する世界文学紹介の本です。といっても、ベタベタに甘い恋愛小説の紹介というわけではありません。むしろ、ドロドロの恋愛もの、悲恋もの、どうしようもないダメンズな男にひかれて身を持ち崩す女の話、悪女とされる女の真実などが語られている、「誰もが名前は知っている世界文学作品」が紹介されます。
 著者の佐藤真由美さんが日常のちょっとした事とからめて、小説の一節を引用し、そしてその後に怒濤の小説紹介と感想が語られるというスタイルの世界文学紹介がなされるのですが、それが凄くいいのです。これを読んでしまったら、もう原作を読まなくていいのではというくらい詳細に物語を語ってしまうのもご愛嬌(関西の人なら、浜村淳の映画紹介のようなと言えばわかっていただけるでしょうか)。
 色々な恋愛小説の紹介ということで、途中だれる部分もあるんですが、トールマン・カポーティの「ティファニーで朝食を」と、ラクロの「危険な関係」、ナボコフの「ロリータ」あたりはとても良かったです。ラクロは僕自身未読なのですが、そのうち読んでみたいと思わせるパワーある紹介でした。ナボコフのそれも、「世界で一番誤解されている」小説ですし、映画か小説をまた見たいなと思わせてくれました。
 ということで、世界文学で何か恋愛ものありますか? という人にはおすすめの一冊です。
 

恋する世界文学 (集英社文庫)

恋する世界文学 (集英社文庫)