小説・漫画好きの感想ブログ

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「ニューヨークの魔法使い」 シャンナ・スウェンドスン著 感想 

 本年99冊目の紹介本です。
 
 前回のグイン・サーガ・オフ会でサブリナさんに紹介していただいた本ですが、とにかく面白かったです。いい意味で、ディズニー的で、ハリウッド映画的で楽しめました。

 主人公のケイティ・チャンドラーはテキサスからニューヨークに出てきた、普通すぎるくらい普通の女の子。ルームメイトのすすめでブラインドデートをさんざん繰り返すものの、どこにでもいる、妹のような存在にしか見られず、職場の上司は無茶苦茶性格の悪いおばさんでどうしようなもない毎日に鬱々としていました。
 そんなある日、ケイティは背中に羽の生えた女の子や妖精、いるときといないときがあるガーゴイルなどに気がつきます。前々からときどきそういう不可思議なことを見ることはあったものの、それは全部気のせいと片付けてきましたが、実は、そうではなくて、ケイティの住むこの世界には本当の魔法使いや妖精達が住んでいたのです。そして、なんと、魔法使いたちの魔法がきかず、彼らをありのままに見ることができる彼女は、イミューン(免疫者)と呼ばれる貴重な存在だったのです。普通の人間は、魔法は使えないものの魔法の影響を受けるだけの魔力があり、魔法使いたちの目くらましによって彼らを見ることができないのですが、イミューンと呼ばれる人々だけが彼らを見ることができるのです。そして、彼らは、その特殊性故に、魔法世界の住人たち同士の中において、立会人として非常に役立つのです。
 かくして、ケイティは彼らの会社、株式会社MSI(魔法製作所)の社員としてスカウトされるのでした。。。
 お話のほうは、入社した彼女にふりかかるコメディのような魔法の数々、ラブロマンスに加えて、邪悪な魔法使いも登場、魔法大戦の危険まで含む盛りだくさんな内容が展開してゆきます。クライマックスには魔法使い同士の勝負もあったり、アーサー王の時代からの伝説の魔法使いであるマーリーンも登場したり、と本当に楽しく読める一冊でした。
 この作品それ自体でもお話としては完結していますが、続々と続刊が出ているということでそちらも楽しみです。
 

ニューヨークの魔法使い <(株)魔法製作所> (創元推理文庫)

ニューヨークの魔法使い <(株)魔法製作所> (創元推理文庫)