小説・漫画好きの感想ブログ

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東日本大震災復興構想会議 岩手・福島・宮城3知事の意見が衝突

 仕事が押していて、さっき帰ってきたのですが、今日の復興構想会議はかなり荒れたようです。僕は、この震災をどのようにとらえるか、どう対処するかで、悲劇を乗り越えた上での話ですが、日本の将来は災い転じて福となす、として良い方向に変わっていけると思っています。また、そうでなくては死んで行ったたくさんの人に会わせる顔がないし、申し訳ないと思っています。だから、復興については本当に正念場だと思っていますし、ようやく復興に人々の意識が向いたのはいいことだと思っていますし、復興会議が出来たことそれ自体はよいことだと思っています。しかし、会議を見ていると、会議によって日本はまずい方向に向かっているようなのがとても気になっています。なので、この会議については注意深く見つめています。
 そして、僕がこの議会が良い方向にいかないのではと考える理由の一つが、議長の五百旗頭真氏にあります。前述した通り、この方とは学生時代によく言葉を交わさせていただきましたが、どうにもかなり偏った方のようでしたし、自分のもっている持論・結論のためであれば、あとのことは大抵ざっくりと切り捨てるところがあった印象が強いからです。
 もちろん、それがいい方向にでれば、大胆に舵取りを出来るのでしょうけれど、場合によっては、彼の我の強さ、理論重視の考え方は、いらぬトラブルを引き起こすのではないかと危惧しています。

 さて。それはそれとして、その復興会議の今日の会合ですが、いきなり荒れていますね。被災した三県の知事はそれぞれ同じ痛みを受けているはずなのに、それぞれ目指しているところが違うし、それぞれの県の立場があるからでしょうが、それぞれが自分の考えを主張して共同でどうしようという話をしないというのがなんだか会議の先行きを暗澹たるものにしているような気がします。
 福島県の佐藤雄平知事はそりゃあ勿論、東電の後始末として福島第一原子力発電所の放射能汚染の事態収拾に国は最優先で力を投入して欲しいし、避難している人のためにあらゆる対策をとって欲しいと思うでしょう。宮城県の村井嘉浩知事は、水産業が打撃を受けたということでとにかくまずは漁港を整備して、県民の産業の基盤の漁業を国営化してでも守り復活させて欲しいと願っています。そのためには増税してどんどん資金を投入して欲しいとも考えています。岩手の達増拓也知事は復興にむけて進むのは当然ながら、復興税という名の増税議論が先歩きしているのを危惧し「財源論争」に反対の立場を表明。復興税は消費を低迷させると指摘しています。これは経済活動が比較的弱い岩手としては、それが足かせで復興が遅れるのではと心配するのもとてもよくわかります。そして、この三知事の中では一番穏当で良識派だと思います。
 しかし、その穏当さをもってしても、会議の事前調整もできない状態や、それぞれが自分の県民を最優先という態度を強く出して動く以上は(それを強く非難はできないけれど)、まとまって一番ベストの回答を出すということがひたすら遅れるような気がしてなりません。復興会議の位置づけ自体が今のままだと、事業仕分け同様に、意見としては最後までいっても強制力も法的な拘束力もないものだけに、時間はかかって結局全体として中途半端になった上に、さらに国会で紛糾していたづらに一番大事な時間を消費していくようで心配です。

 23日に開かれた政府の復興構想会議(議長・五百旗頭真防衛大学校長)の2回目の会合では、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島3県の知事や委員たちの間での復興財源を巡る意見の相違が浮かび上がった。一方、東京電力福島第1原発事故を抱える福島県は事故収束を最優先とするなど温度差も表面化した。五百旗頭議長が14日の初会合で打ち出した「復興税」構想も議論を呼んでおり、意見集約が難航するのは必至だ。
 会合は当初3時間の予定だったが、意見表明が相次いで約30分延長した。菅直人首相と枝野幸男官房長官は最後まで発言は一切せず、議論に聴き入っていたという。「全国民の英知を結集する」と菅首相が意気込んで人選した同会議の委員には各界の論客が顔をそろえる一方、議論は拡散しがちで、意見集約には工夫が必要だ。

追記:東京電力福島第一原発の賠償に対して、税金が投入されるみたいな話が早くも出ていますが、まだまだそれは早いし、ある程度の東京電力の行動なり対応がすべて終わってからでもそれは遅くないと思われます。財政出動して事態を収束させることや再建をはかるためにかかる費用は国が担保して一時的に先出しするのはいいとして、安易な国税投入・国民負担は避けるべきです。原子力関係の外郭団体、天下り団体などをすべて整理し賠償させることを立法化してからの話です。