小説・漫画好きの感想ブログ

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映画 エンジェルウォーズ 感想

 映画エンジェルウォーズ見てきましたよ〜。
 一言でいうと、トコトンB級のカルトムービー、近年稀に見る無茶苦茶な映画です。日本以外で受けるのかどうかが非常に心配になるくらい、間違った意味でクールジャパンな映画です。 
 あらすじは、母親が死んだあとに遺産相続をめぐって叔父さん(義理の父かも)にはめられ、妹も殺されたベイビードールが、精神病院に連れ込まれるところから始まります。叔父は、彼女に生きていてもらっては困るので、悪徳医師と手を組んで、彼女にロボトミー手術を施し記憶すら消してしまおうとします。果たして、彼女は無事にこの窮地から脱出できるのか。。。というのがあらすじなんですが、、、それがどう転んだら下のようなイメージスチルや映画予告に繋がるのか全然わからないですよね、本当。
 実は、作品はそこから極めて深い妄想に継ぐ妄想、作中のトリップ映像に繋がっていって、そこから先はやりたい放題「300」や「ウォッチメン」で見せたザック・スナイダー監督らしい悪ノリというか極めて独特なやり過ぎ感満載な映像がひたすらと続きます。特に今作では、古今東西の日本漫画やアニメ、海外SFのパロディが放り込まれていて、これでもかこれでもかと続く無茶な映像とセンス、ジャパニメーション的妄想のRPGゲーム的世界に、ただただ呆然、頭を空っぽにして楽しむ作品に仕上がっています。
 例えば、ざっと思いつくだけでも、「キルビル」「アップルシード」「攻殻機動隊」「指輪物語」「スイニートッド」「エラゴン」「NARUTO」「ダンサー・イン・ザ・ダーク」「バイオハザード」「フィナルファンタジー13」「ウィザードリィ」「モンハン」「史上最大の作戦」「ヘルシング」「ターミネーター」「マトリックス」「戦場のヴァルキュリア」「美少女戦士セーラームーン」「ゾンビ」「オズの魔法使い」「SF3Dオリジナル」などなどのパロディやら黒澤明的なキャラクターもぞくぞく登場という次第。もちろんもっともっとたくさんの映画や漫画のパロディがおそらく入っています。
 作品世界の中で、主人公のベイビードールや、娼館での仲間のスイートピーやロケット、ブロンディらは、セーラー服や戦闘服に身を包んで戦うんですが、その相手もロボット兵であったり、蒸気で動くドイツ兵だったり、ゴブリンやオークやドラゴンだったり、巨大な侍だったりとかなり無茶苦茶な設定ですが、これももう理屈は抜きにして楽しんでアクションを見るしかありませんし、それが一番楽しいこの映画の楽しみ方だと思います。
 ただ、そういう話だからといって、荒唐無稽、無茶苦茶なだけかと思ったら、けっこうほろ苦かったりショッキングなシーンも満載だったりしますし、救いのなさで言えばけっこう酷い映画の部類であったりもします。妄想のすべてが取り払われた後に残される現実はあまにも残酷だし、正義という物が果たしてあったのかと、、全員がハッピーになるわけではない、ちょっと原作者出てこいと問いつめたいエンディングを迎えます。でも、そういうのも含めて、とても印象に残るB級の王様のような映画でした。
 たぶん、あとにもさきにもここまでぶっ飛んだ映画というのは出ないでしょうねぇ。それくらいぶっ飛んだ作品でした。

 追記:クイーンのボーカルのフレディ・マーキュリーのパロディも出てきたりしますし、ユーリーズミックスの楽曲も使われていたりしますので、年代的にもそれがドンピシャの人にはそれはそれで楽しめる映画です。

 追記2:主人公のエミリー・ブラウニング演じるベイビードールは、劇中設定では20歳なんですが、あちらの設定では「マシンガンをもった不思議の国のアリス的少女」らしく、萌えキャラという線らしいんですが、、すいません、日本人的な目からすると萌え要素美少女的要素というのは感じられなくて、ひたすら戦う女性でございました。だって、これでもかっていうくらい、ギャルメイクだったりしまして、、えー、ありていにいって色っぽいというよりは戦闘少女という趣きでした。