小説・漫画好きの感想ブログ

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反原子力活動家である前に、星アカリさんには普通の人間でいて欲しい

 おはようございます。
 今朝は原発のニュースを離れて、反原子力発電活動家のお話。原発反対の動きは昔からあったし、こちら関西電力エリアでも美浜原発や、関西電力の広報担当部署のところには抗議と苦情と即時原発の稼働停止を求める人たちがきています(といっても、担当者さんから聞いたらいつもの同じメンバーで今回の東日本大震災でテンションが高くなっただけで爆発的に増えたりはしていないそうです。もんじゅの時でもそうだったんだから、このあたり関西は変わらないのかも)という事でした。
 なので、それ自体は別に構わないと思うのですが、、今朝ネットで見たニュースには寒気がしましたし、その思考回路に慄然としました。

 それは反核運動家の星アカリさんという方がツィッターで主張したという東京電力社員の子供への差別呼びかけキャンペーンです。
 彼女はこういっています。
 「東京電力社員の子供を全力でボイコットしなさい」「子供に罪がないといえるレベルの話ではない」として、だから東京電力社員に世論の声と怒りを伝えるために、その子供を責めて親にそれを伝えようとしています。
 「法律がさばかなくても、社会的制裁というものは存在する。教師も、生徒も皆が東京電力社員の子供達を完全に無視しなさい。でもより細やかに目立たなく怒りを届ける方法」「犯罪者の家族に対する姿勢と、同じ事だ。さらに、電力会社社員は高給まで取っている。その子供の未来をなくすことが、デモよりも確実に東電社員に届き、法律にも違反しない方法だ」
 
 僕はこの発言に激しい怒りを覚えます。
 東京電力の対応は確かに目に余る部分が増えてきました。福島第一原発への初動の迷いは、電力を一手に担う責任からのものかも知れませんが、あとあとの対応には疑問符がつく部分もあります。でも、だからといって、一般の東電社員や、ましてやその家族は同じ被災者です。特に、子供にはいったい何の罪があるというのでしょう。
 親が犯罪者だからといって、子供を差別していいなんて理屈は通りません。これが高校生くらいならまだ是非や行き場のない怒り理解できるかも知れませんが、小学生や中学生、幼稚園児らに何の罪があるというのでしょうか。
 左翼であれ、右翼であれ、どんな思想をもとうがそれはその人の自由です。構いません。でも、その思想の中に、罪のない子供を差別したり場合によっては同じ人間扱いしない思想が混じるのであれば、それは否定されるべきものだと思いますし、そんなことを思ったり考えたりするのであれば、それ以外がいくら素晴らしくても人の共感は得られないでしょう。
 なんだかオウム事件のあとで、オウムに入信していた子供達の入学を無理矢理阻んだり、転校を受け入れなかった中学校や小学校の話を思い出してしまいました。あのケースでは、そこから他の子供達に危険が及ぶかもとか、オウム真理教の反対派の人たちに危険が及ぶとかの理屈がまだありましたけれど、今回のそれは単に復讐や怒りなどをただ単に弱い立場のものにぶつけているだけで悪意しか感じられません。
 こんなことを許せば、そのうちに、あらゆるところで差別や迫害や憎悪の負の連鎖が始まるような気がしますが、どうでしょうか?