小説・漫画好きの感想ブログ

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オール電化は電力不足の原因だから販売禁止 というデマ 

 東京電力管轄内で、オール電化の営業・販売が禁止されたというような話が流れていますが、、、東京電力の公式サイトを見る限りでは確認できないのですが、、これがもし本当ならかなりのデマやオール電化反対の人や、反対業種のデマなどが横行した結果でしょう。
 オール電化が原因で電力不足になっているというデマが出始めたときから、それは危険な状況だしデマにまどわされないようにという話は、前にこのブログでも書きました。
 確かにオール電化にすれば、お湯をわかすエネルギー、台所の調理に使うガスコンロぶんのエネルギー、ガスファンヒーターとかガスストーブのエネルギーをすべて電気に切りかえるわけですから、確かに電力需要は増えます。しかし、基本的に一番使用量の多い給湯部分に関しては、深夜の需要が極端に低くて捨てているような電気を使う事で賄っているので、それが原因でいきなり電力需要になるというのは明らかな間違いです。
 エネルギー総量ではなく、ピーク時での電気使用量の変化と経済コストの恩恵とのバランスから、本来はその弊害が考えられるべきところなのに、なぜかオールデ電化で原子炉二基分の電気消費が増えているのが問題という、見事なすり替えがされています。
 本当のところをいえば、今回の震災でもそうでしたが、IHにしていることで瞬間的な火事が防げているケースも多数あるし、ガスの復旧ができていないエリアでも電気がくることで助かっている家庭も多くあり、かつまたエコキュートには数百リットルの水を非常用に使える機能があったので、そこから水を取ることも出来たりと災害対策にも効果を発揮しています。しかし、そのあたりはあまり出ないところを見ると、オール電化に対するバッシングはためにする批判であり、ガスをはじめとする反対工作の一環と見るべきでしょう。勿論、それに載せられてしまって内実を知らない方がいるのは残念なことですが。
 ともあれ、そのあたりはまぁさておくとして、一番まずい情報操作がなされていると思うのは、「オール電化の商品について今現在、電力供給の問題により販売が禁止されています。なので販売は行われません」というデマが普通に流れています。
 しかし、、、ここのブログを見ている方はよくご存知だと思いますが、、、僕単体でも先週一週間だけで、エコキュートを3台販売していますし、先行予約販売という形ではさらにもう少し予約を取っています。つまり、別に販売規制は敷かれていません。ただ、一般の販売業者や家電量販店でも実際の販売をしていないところは多数あります。それは何故か。本当のところを言うと、エコキュートにしろIHにしろ、既に在庫がなく、各社共通でつかっていた部材の一つを作っていた部品メーカーの工場が福島にあったんですが、そこが今回の津波で流されてなくなってしまったので生産が一時的にできなくなっているというのが真実なのです。しかも、その部品については、シェアが90%以上そこの会社だったので、別工場を中国地方などで作ったり、金型から作って委託するにしても一ヶ月か二ヶ月は生産が出来ないという状態なのです。つまり、エコキュートは生産そのものができないので品不足になっているだけで販売が禁止されているわけではありません。
 なので、市場に出回らないし、いつもは暗躍しているような訪問販売業者もまわってこないという状態になっているのです。まぁ、これで一ヶ月二ヶ月市場にエコキュートなりIHなり電化商品が出回らなければ、変な悪徳訪問販売業者のようなものが立ち枯れてくれるかも知れないので、それは有り難いっちゃあ有り難いのですが、正直、うちの会社みたいに関電とつながりをもって、関連会社から各社の商品を卸してもらっていたところは伝手などでいろいろ残っているものを取り付けていけるし、今までの信用で予約販売できているし、太陽光販売も出来るのでもっているけれど、たぶんかなりの中小企業がつぶれるんじゃないかなぁという気はしています。
 まともな会社で、将来の省エネルギー社会のために頑張っていて、本来なら復興の下支えになるような会社がどんどん潰れて行くのを見るのは本当に忍びないし、こういう時にその状況を分かっているのか分かっていないのかネタにして茶化している相手というのには本当に腹が立つものです。
 実際には、上のような理由で販売が中止というか中止せざるを得なくなっているだけなのに、電力不足の原因になっているから販売・営業を禁止している(東電管轄であれば一時的にはあり得るかも知れないけれど他の地域はまったく関係ない話です)というようなデマは本当に厄介で悪質です。
  
 追記: 加えて、もっと本音の話をすれば、東北、わけても岩手や宮城などの仮設住宅を作ったり、被災地全般の復旧のためにあらゆる電材やコード類、電線ケーブル、コンパネ、合板などが今は徴発的に東北にもっていかれるので、普通の電気工事やリフォーム、家の修理、最悪のケースでは新築家屋の引き渡しが出来ない状態になっているところも関西ではたくさん出てきています。そして、それらのところも、数ヶ月のスパンで社員給与や家賃などのコストはかかるのに売り上げがまったくないし、集金もできずに倒産せざるをえない業者がたくさん出る気配です。
 うちも、一軒契約ごとに義援金をどんどん送っていますが、正直いえば、頭と身体をフル回転で使っているのと、顧客の方の紹介などの契約が取れるからもっているようなものの、こんな状況がずっと続けば他の関西系企業同様に苦しくなります。
 風評被害というのはどこの業界でもあることですが、意図的に風評被害を与えようとしているところがあるのは腹立たしい限りです。こんなときくらい、ガスだとか電気だとか灯油だとかプロパンだとか量販店だとか個人商店だとかの諍いをせずに、とりあえず復興のために全員が協力して、お互いがお互いのできるところで協力して、どんどんあちらに支援をするというような心持ちになれないものかなと情けなくも思います。