小説・漫画好きの感想ブログ

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「コンシェルジュ・プラチナム」 1巻 藤沢道彦・いしぜきひでゆき著 感想 

 本年71冊目の紹介本です。

 昨年、「蒼天の拳」や「北斗の拳」のリメイク・スピンオフ作品などが大量に掲載されていた週刊バンチという雑誌が廃刊になり、「月刊バンチ」と「月刊ゼノン」に別れました。(その別れたゼノンの方には、シティハンターの続編「エンジェルハート」などが移籍しています)そして、その時には多くの作品が作品途中において、また或は急激な巻きで最終回を迎えました。
 本作「コンシェルジュ・プラチナム」の原作者と漫画家さんコンビも、もともとはバンチ誌上で、本作と姉妹作になる「コンシェルジュ」を連載していましたが、バンチ廃刊にともない作品は完結となりました。

 そこで、主人公と舞台設定も変えて、新たに町の中でのコンシェルジュという設定で動き出したのが本作「コンシェルジュ・プラチナム」です。主人公の一人は、ややさびれた町のホテルのコンシェルジュで一条笑美という女の子です。彼女は生まれ故郷であり、ホテルのある町の商店街の活性化のために、ホテルのコンシェルジュの出張所を商店街内に作り、ホテルと商店街が有機的に連動できるようにと動き始めます。そこへ登場するのが、もう一人の主人公の九音響也です。彼はアメリカ育ちの帰国子女で、海外では企業アドバイザーとして名声を誇る人物です。彼は通称「心理士」と呼ばれていて、相手が無意識に行うさまざまなボディランゲージや表情などで相手の心理を隔日に見抜く才能を持っています(わかりやすく最近のドラマでいえば、テレビドラマの「ホンボシ」の主人公のようなものです)。この二人が中心となって、町おこしやホテルに泊まる様々な人々の悩みや事件を解決していくのが、この漫画のメインストーリーになっていくようです。
 前作では、人に寄り添う気持ちや人脈を通じたネットワークで事件を解決していくさまを中心に物語が展開していた「コンシェルジュ」ですが、この「プラチナム」では心理に重きを置いた展開になっていくようで、それはそれで楽しみです。すべての人物の心理を見透かす九音、彼はその才能故にか人に寄り添う方法が少しわからないようで、もう一人の笑美とはある意味好対照。そのあたりの妙も物語にいろどりをつけています。
 あと、前作でも評価の高かった、キャラ立ちに優れている作者だけに、早くも一巻から個性的なキャラがたくさん登場します。前作ほどの華やかさやスケールにはかけるものの、楽しいお話になりそうで期待大でおすすめです。

コンシェルジュ プラチナム 1(ゼノンコミックス)

コンシェルジュ プラチナム 1(ゼノンコミックス)