小説・漫画好きの感想ブログ

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「つらつらわらじ」2巻 オノナツメ著 感想 

 本年70冊目の紹介本です。
 最近、小説より漫画に偏りがち。こういう状況だけに長編小説はなかなか読みきれていません。。。

 つらつらわらじ。 
 備前熊田家参勤騒動記、というタイトル通り江戸自体の参勤交代を舞台にした漫画です。寛政の改革を推進し倹約を旨とする老中・松平定信は、彼に反抗する熊田の殿をなんとか潰そうと、その材料集めのため参勤交代に密偵を忍び込ませていた。そんなこととはつゆ知らず、参勤交代で江戸へと赴く藩主の脇を固める家老たちの間にも家同士の反撥や思いが交錯していた。。。
 こう書くとドロドロした陰謀物の時代劇のようですが、実際には、藩主の熊田治隆の寡黙ながら豪放さと繊細さをあわせもったキャラクターによって、実に味わい深い漫画になっています。それぞれがそれぞれの思いをもっていますが、それを分かった上で、自分のしたいことはきっちりとやりきると同時に部下のこともきちんと考える藩主の治隆はまさに理想の殿様です。
 強いて難点をいえば、オノナツメの漫画は初めてという人には、人物の見分けがつきにくいということでしょうが、慣れればキッチリわかるようになりますので、繰り返し読んで味わってほしいです。 

つらつらわらじ(2) (モーニングKC)

つらつらわらじ(2) (モーニングKC)