「鉄腕バーディー EVOLUTION」7巻 ゆうきまさみ著 感想
本年55冊目の紹介本です。
鉄腕バーディー 最新刊です。
物語冒頭からバーディーが追いかけていた世紀の犯罪者、クリスタル・レビとバーディーがいよいよ面と向かって出会い、そこでレビの過去が明らかになります。
浄火学館という新興宗教の教母が惑星連合一のテロリストと断定した神祇官は、特殺官としてネーチュラーを送り込みます。バーディーは、レビを逮捕するのはともかく問答無用に殺そうとする連邦のやり方に疑問を抱き、ネーチュラーからレビを守ろうとして結果、呉越同舟でレビと一緒に移動することになります。その途上で、レビは自らのことを「奥の院」によって作られた化け物だと独白し、問わず語りに自らの過去を語り始めます。
レビとは一体ほんとうは何者で、どのような過去をもっているのか。またそこに、多くの異星人種族で構成される銀河連邦の上位に位置する「奥の院」「神祇庁」とは本当は何者なのか? その謎がいよいよ解明され始めます。
この鉄腕バーディーというお話がSF作品としてかなりの裏設定があるのは皆様もご承知の通りかと思いますが、その裏設定の中でも重要な謎の一つが、この「奥の院」という組織の正体です。彼らはいったい何者なのか。唯一にして絶対の宗教を作り、それに逆らう、矛盾する者達を異端と断定し、普通の法律とは別の法律で自由に裁くことが出来る彼らは、ある意味この作品世界の中で絶対の存在です。彼らは、彼らの語る世界を自由自在につくりあげることが出来ます。そして、それに対したり気にいらない存在、種族を自由自在に潰す事も出来ます。宗教という名の影に隠れた絶対者です。
彼らは本当は何者でどんな行動原理で動いているのか。この世界は、彼らによってどう作り替えられた世界なのか。バーディー達にとっては、そんなことはどうでもいいことでしょう、そうした裏設定が今後どう物語に影響してくるのかとても楽しみです。
- 作者: ゆうきまさみ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/02/26
- メディア: コミック
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追記:この第七巻には、六巻同様に初回限定版があり、ゆうきまさみ開業30周年+1として小冊子がついているバージョンがあります。