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大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」第9話 義父の涙 感想

 上野樹里主演の大河ドラマ「江」の第九話「義父の涙」を見ました。
 このドラマが始まって以来ほぼ初めてといっていい、じっくりと腰を据えて時間が流れた回でした。
 冒頭シーンこそ、史実では一年とないはずの時間経過に関わらず、妙に仲のよい家族になっていた柴田勝家(大地康雄)一家のシーンで始まりましたが、あとはじっくりと柴田勝家出陣までの時間を描いておりました。秀吉の、これ以上ないくらいにしつこい挑発と横暴に耐え続けた柴田勝家が、心を決め、戦場へと赴く。そこまでが今回のあらすじです。
 しかし、、、今回のドラマはある意味、歴史的事実関係以外は、まるまる創作というかオリジナルホームドラマになっていましたね。鬼柴田が、茶々や初、江と約束したからといって戦争を避けようと心悩ませる、なんてことが実際にあるとはなかなか思えないし、もしそれが本当なら鬼柴田の印象はかなり変えないといけないだろうし、、、お話そのものの矛盾でいえば、秀吉の実質的な織田乗っ取りを嫌ったからこそ柴田勝家に嫁いだお市の方の選択がいっときの感情の高ぶりにしか過ぎないものとなってしまいます。お市の方は、本来の流れからいえば、むしろ柴田勝家をけしかけるくらいでないといけないのですが、今回は中盤から気持ちを切り替えたとはいえ前半は、まさに母としての側面が前面に強くですぎていたような気がします。
 また柴田勝家も、子供達に強くでられるとたじたじとなったりデレデレしてみたり、マイホームパパの典型のような描かれ方をしており(あのお守り袋にしてからが・・)、これで来週まともな合戦シーンがなかったら、突破型の猛将・勇将として知られる当代一の武将・柴田勝家が、その強さが感じられないままに画面から消えてしまうことになりそうで残念です。
 今回・前回のようなホームドラマ路線でいくならいくでいいのですが、来週からは再び加速状態で物語は進んでいくようで、、、お市を始め大河ドラマなのに20回あたりまでに主要キャラが全部いなくなって今の華やかな画面が一転寂しくなってしまいそうです。