「玉子ふわふわ」 早川茉莉著 感想
本年50冊目の紹介本です。
今年は仕事がかなり忙しいので本を読む時間が少ないのでゆっくりゆっくり読んでいます。さて。
本書は、玉子・卵についてのアンソロジーです。解説の通り、37人の作家による「玉子饗宴」ということで以下の人たちが書いた玉子についてのエッセーが集まっております。深尾須磨子、森茉莉、石井好子、福島慶子、三宅艶子、森田たま、中里恒子、住井すゑ、武田百合子、林芙美子、網野菊、池波正太郎、東海林さだお、伊丹十三、吉田健一、嵐山光三郎、山本精一、池田満寿夫、北大路魯山人、向田邦子、色川武大、田村隆一、神吉拓郎、細馬宏通、犬養裕美子、堀井和子、津田晴美、田中英一、熊井明子、田辺聖子、松浦弥太郎、室生朝子、筒井ともみ、辰巳芳子、林望、村井弦斎、宇江佐真理。以上37名です。
最後に宇江佐真理が入っているところとタイトルが彼女の読み切り小説「卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙」を想起させてニヤリとさせます。熱々のスクランブルエッグの話あり、ゆで卵の話あり、玉子にまつわる思い出話あり、日々ときおり気が向いたときに読むのに丁度いい感じのエッセイアンソロジーです。
食事に関して、僕みたいな食いしん坊でなくて、あまり食べ物に興味がない人だと面白くないかも知れませんが、玉子というなにげない安く手に入る食材であれこれのことをしたり、いろんなエピソードを追体験できるのは食べ物好きの人間にとってはなかなか面白いものです。
ところで、玉子のふわふわ、ふわふわたまごは静岡県袋井市の名物料理で、「東海道中膝栗毛」にも登場した、江戸時代からあるもののようですが近年になって町おこしのB級グルメになって復活したとか。いつか彼の地に訪れた時には是非食してみたいものです。
- 作者: 早川茉莉
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2011/02/08
- メディア: 文庫
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