小説・漫画好きの感想ブログ

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「天才柳沢教授の生活 ベスト盤 The Green Side」山下和美著 感想  

 本年39冊目の紹介本です。
 「天才柳沢教授の生活」のベスト盤、早い話が「よりぬき○○」みたいな文庫版です。「天才柳沢教授の生活」というのは、モーニングに月一連載中の漫画で、経済学の教授の柳沢良則とその家族、大学生たちの日常生活を描いた漫画なのですが、ほのぼのしみじみ面白い癒し系漫画です。
 柳沢教授は、毎朝5時30分に目を覚まし、夜も10時になると確実に睡眠に入り、道路の右側を常に歩き、直角に道は曲がり、あくなき好奇心の塊で、曲がった事が嫌いで、何か気になることがあると最後の最後までその謎を解明しないと気がすまない性格の、愛すべき人物で、彼のキャラクターだけでこの漫画はとても面白いです。
 ギャグっぽい回もあれば、泣かせる回もあり、ヒューマンドラマの回もあり、家族愛が描かれる回もあり、とバラエティ豊かな漫画でかなりお気に入りの漫画で、ふだんは買わないコミック文庫ながら買ってみました。
 収録作品は、80年代連載当時の初期のものから最近のものまで色々と収録されていますが、今回読んでみてあらたに驚いたのは、連載が20年以上にもなるのに、キャラの顔やスタイルがほとんど変わっていないところです。普通、連載漫画でも5年10年と時が進むにつれ、キャラクターの顔は変わるし、漫画家さんのタッチも随分と変わるものなのに、この山下和美さんという漫画家さんのタッチは、いささかも変わりませんし、キャラクターも変わりません。そのあたりは、ちょっと他に例がない方です。変な例えですが、これほど変わらないのは、他に思いつくのはゆでたまごの「キン肉マン」くらいでしょうか。
 (「美味しんぼ」の山岡士郎や栗田ゆうこ、「北斗の拳」のケンシロウなど、別人のようにキャラクターのスタイルや顔つき、タッチが変わっています)
 まぁ、それはさておき、このより抜きのベスト盤では、この漫画の主要キャラクター一人一人にスポットを当てた話がまんべんなく、かつ先程も書いたように、バラエティ豊かな内容になっていますので、読んだことがないという人にもお勧めの内容になっています。
 個人的にお気にいりなのは「花の名前」「タマごめん」「Pureness」でした。
 それぞれ、教授になったばかりなのに結婚相手の老教授への愛のために引退した女性教授の話、飼い猫のタマをめぐっての家族の日常を描いた話、そしてルックス抜群で話術も巧みなイケメン客員教授の秘密と純愛を描いた話です。どれも思わず読んでてニンマリとしてしまう話でした。
 

天才 柳沢教授の生活 ベスト盤 The Green Side (講談社文庫 や 64-3)

天才 柳沢教授の生活 ベスト盤 The Green Side (講談社文庫 や 64-3)


 追記:世間では四大陸フィギュアスケート選手権をやっていたのですね。高橋大輔が優勝で、浅田真央安藤美姫が好発進だとか。織田信成はでてないのかな?  大阪女子マラソンも知らないうちに始まって終わっているなぁ。。。サッカーのときみたいに見れてないです。