小説・漫画好きの感想ブログ

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「バーテンダー 18巻」 長友 健篩 著, 城 アラキ 画 感想 

 本年二作目の紹介本です。
 これも昨年末に出ていたコミックで、「バーテンダー」最新刊です。ちなみにこの「バーテンダー」は、この2月からテレビ朝日系列で、嵐の相葉雅紀さん主演で金曜深夜枠でドラマ化されます。原作のテイストを考えると、主人公のどこか普段は茫洋としつつも芯のところでは凄みのあるキャラクターと相葉さんはちょっとイメージが違うかなぁ、、と思うし、ドラマ化となると、原作では殆ど要素として存在していなかった恋愛物要素も少しは出てこざるを得なくなるんで、、その点では、ヒロイン役の役所来島美和を演じる貫寺谷しほりさん自体は好きなんだけれどドラマの構成としてはちょっとどうなんだろうかなあと不安要素ありありです。まぁ、全くの別物として楽しめるといいんだけれど、結構好きな漫画だけにちょっと不安の方が強いです。
 同じ嵐なら、二宮和也が主演ならどんなドラマでも安心なんですけれどね。

 さて本編。
 本編のあらすじは、前巻でホテルのバーの閉鎖にともなって、弟子の翼と一緒に自分の店を出すことにした主人公が店を作るために動き出します。お店の場所探し、調度品探し、氷、お酒の卸元挨拶、もちろん、そのそれぞれのシーンで相手とのカクテル勝負というかカクテルで相手を説得するというエピソードが絡んできます。今回出てくるカクテルはカシスウーロンであったり、トランジットであったり、マンハッタンであったり、青い珊瑚礁であったりと、わとポピュラーなカクテルが多いですが、その一つ一つが話次第できちんと生きていて、次にバーに行ったときには飲んでみようかなと思ったりします。
 また、今作では、普段はあまり自分のことを語らない佐々倉溜について、かつての先輩バーテンダーがこんなことを言います。「あいつは自分のために生きるのを止めていた」と。しかし、今回、彼は翼くんというホテルマンが自分についてくるのを決めたことで、自分自身も前向きに動き出したかのように見えます。ただ、彼らしいのは、その前向きさも自分だけが前へ進もうというのではなく、あくまで、一緒についてくることになった後輩と一緒に前へ進もうというのが強く見えるところです。新しいバーの名前を「イーデン・ホール R&T」としたところにも現れているように、彼にとっては、前向きにとはいっても、まだまだそれは完全な自分の為の動きではないのでしょう。
 けれども、その人に寄り添っていくような姿勢や価値観、誰かの魂のために一杯の酒を作ろうとする姿が、佐々倉という主人公にはとてもしっくりくるような気がします。ある意味では彼のライバルともいえるミスターパーフェクト・葛原が、完璧な一杯を作るのを目指しているのと同じように、これも彼のカラーなのだと思います。
 

バーテンダー 18 (ジャンプコミックスデラックス)

バーテンダー 18 (ジャンプコミックスデラックス)

 

ドラマはこちらから→http://www.tv-asahi.co.jp/bartender/
 追記: もしドラマがあたったら、それを契機にこの原作漫画を読む人や、バーに顔を出す人が増えるかも知れませんね。