小説・漫画好きの感想ブログ

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「ぼんくら」1巻  宮部みゆき原作・菊地昭夫著 感想

 宮部みやきの時代劇ミステリの傑作「ぼんくら」の漫画版です。
 原作のすばらしさは周知のことかと思いますので省きますが、この漫画版もなかなかよい感じです。同心の井筒平四郎さんは怖い顔だし、煮売り屋のお徳さんは原作のイメージ以上に福々しいしで、若干どうかな? と最初は思いましたが、読み進めていくほどにしっくりとしてくる感じです。
 「殺し屋が来て、兄さんを殺していったんです」と唐突な告白から幕をあける第一話も、どこからともなく現れた言葉もほとんどしゃべれない子供の真実を描いた第四話も、博打打ちの父親のために女郎屋に売り飛ばされることになった娘の顛末を描いた第五話もすべてなかなかいい感じで一話完結に綺麗に描かれています。
 物語の方は、こういう一話完結のていでいきながら、いつの間にか鉄瓶長屋という彼らが住む長屋の暗くて深い因縁話になだれこんでいく筈ですが、この巻で人物紹介が順番に進んでおり、否が応でも次巻以降に期待が高まります。

ぼんくら 1 (PHPコミックス)

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