小説・漫画好きの感想ブログ

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SPEC 感想 壬・冥王降臨

 昨日は書けなかったので一日遅れ。
 いや、まぁ、何はさておき、文句なしに面白い。ドラマっていうのは、この点が一番でしょう。面白くなければ(楽しいとかいう意味だけじゃなくて、よくできている、中毒性がある、はまるとかいい意味全部含めてね)意味がないですからね。
 今回は、東野幸治がいきなりSPEC持ちの殺し屋になって登場したりという笑える系列の小ネタをはさんできたり、神戸の満喫からリーク云々の社会派小ネタまで色々やってくれつつも、本編のクオリティも落とさず物語は加速していましたね。
 回を追うごとに謎が深まるというか、謎が解けたら新しい謎が出てきたりと。。

 例えば、
 ニノマエを逮捕しようとして左手を吹っ飛ばされたという記憶を当麻は持っているわけだがこれがどう考えてもおかしい。
 例えば、これが正しい記憶だとしたら、、、いまだ未詳にきていない時期の当麻が二ノマエを犯罪者として追いかけられる筈がない、何故なら二ノマエがSPECもちであることや犯罪者という認識は一般の警察官は知らないから。
 また正しい記憶だとしたら、擬似的に時間をとめられる二ノマエにそもそも手錠をかけることができないだろうという点が一つ。
 また、これは偏見かも知れないが、刑事にしては当麻のあのネイルアートまで入れた手が刑事としてどうにもおかしい(この記憶とあわせるがためのような、地居からプロポーズを受けるシーンのメイクとかが無茶苦茶だった。もっといえば当麻の家のおばあちゃんは、婚約者を迎えるような感じでは地居を迎えていない)
 では、この記憶が改竄されているとしたら、何が改竄されているのか。
 可能性として一番ありそうなのは、当麻の左手があるはずなのにないように記憶操作されているという可能性。では何故左手がないことにされているのか、、なんとなく二ノマエと当麻が兄弟や血縁者であるような可能性が示唆されていることを考えると、当麻も二ノマエと同じく指パッチンで時間を止められるのではないかという気がする。つまり、指パッチンさせないために、記憶操作で「ない」ことになっているのではないか。サイズ的にも、手首から先がないにしてはギプスが長すぎる(撮影上そうしなければならないという可能性も大だけれど^^)。
 もしそうであれば、時間を擬似的に止められる能力者同士の対決という一番まぁわかりやすい対決が出来上がる。
 ただ、ドラマとしたら、それはあまりにシンプルにすぎるのでもう一つ捻りがあるかも知れないが、なんらかの記憶操作がなされている可能性はずいぶんと高いだろうし、そうなってくると二ノマエの母親が本当の母親でないという描写からしても、この二人の血縁的な可能性が捨てきれない線として残る。
 もし、そういう話だとしたら、城田優演じる地居が黒幕なのかという話になるわけだし、そうなってくると、名前遊びしている地居(一)、二ノマエ(一)が双子の兄弟という可能性も出てくる。そうであれば、最初の頃に地居が学校で講義としておこなっていた宇宙の双子のパラドックスがぴたりとはまる。光速で移動する人間は年を取らないというあれがはまる。(本当は主観をどちらにするかで、話がおかしくなるパラドックスなんだけれど、双子だけれど実年齢差が出ている事実をなんとかお話的にごまかせる)。
 ただ、彼らがそうした双子でどちらもが当麻を愛していて取り合いをしていたなんていう話であるとしたら、それはそれでなかなかにホラーな話だったりもする。。。その場合は、可能性の分岐ということでシュレディンガーの猫のような話になり、シュレディンガーの猫の話になるならば、当麻のSPECは因果関係を見抜く、全ての可能性を見極めてどちらかを選び取れるラプラスの魔のような計算能力の上でのシュレディンガーの猫の生死を自分の都合のいい方で選べるという能力になる。
 とこうしてみると、実はこのSPECというのは幾つかの可能性を考えて、結論がどうなるのかいくつか可能性を考えて伏線をはっていたのではないかというような気がする。例えば、今回登場した東野幸治演じる暗殺者は、まさに爆弾で自身が死ぬことをわかった上で最後まで特攻する。自分が死ぬことより二ノマエが死ぬことを優先する。
 しかし、これはSPECもちとしてはなかなかにあり得ない事態だろう。

 とすると、今回かなりのダメージを受けた二ノマエがいたほうの組織には、そういうことをさせるだけの強烈な暗示能力者、いわゆるヒュプノがいるのか、或いはまた憑依した上でのっとった人間のSPECを使える人間がいるという事になる(この伏線には3話にでてきた憑依能力者が流用された、或いは他にいたということで十分説明可能)。
 となると、ヒュプノが全てをあやつろうとしているという事もできるわけで、、、ヒュプノ、、、、いわゆるケイゾクpart1のボスキャラの強烈な暗示能力者の朝倉が頭に思い浮かぶ。
 ケイゾク2っていうのはそういう意味?
などと益体もない想像をあれこれできる。
 そして、この想像を、或いは妄想をさせてくれるところの振り幅の余地がこのドラマの凄みであり面白いところだろうと思う。
 もちろん、神木隆之介の演技もすごいし、美術班の雪の演出も凄い。怪演の戸田恵梨香、まさか「それでも僕はやってない」の痴漢役からの超変貌の加瀬亮、妙にかわいい健気な妹役を演じる福田沙紀といったレギュラー陣も凄いんだけれど、ドラマとしてここまでワクワクさせてくれると同時にあれこれと想像しながら次週をまたせてくれることが何より素晴らしい。
 これくらい面白いドラマだったら、SP版はないようだけれど、映画に続いて構わない。来週で最終回だけれど、絶対にリアルタイムで見たいなと思います。