小説・漫画好きの感想ブログ

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「鋼の錬金術師」27著 荒川弘著 感想

鋼の錬金術師、最終巻です。
 ブラッドレイが前の巻で死に、いよいよお父さまが登場、エルリックとアルフォンス、マスタングらをはじめとする錬金術師たちと最終決戦ということなりましたが、圧巻の最終巻となりました。戦闘シーンは、それほど長いわけでもなく、むしろ今風のどんでん返しにつぐどんでん返しや伏線が何層にもなっていくような戦いではありませんでしたが、王道としてしっかりとした決着の付け方をしてくれました。
 また、嬉しかったのは、その戦いのあとにそれぞれの人生や生活がしっかりと描かれて、あるべきところにあるべき人たちがきちんとおさまっていくのがきちんと描かれたことです。この物語は、ビルディング小説のような、成長の物語であるとともに、人体錬成をしてしまった兄弟が弟の肉体をもう一度取り戻せるのか、初期の頃にでてきた犬と人間のキメラ錬成をされた子をどうにかできるのかといった重めの宿題がある物語でもありました。それだけに、戦って勝利しました、人々は幸せになりました、だけで終わってはいかにも不完全にならざるを得ないのですが、そちらのことに戦いのあとに長いシーンをさいてくれたこと、それに対する答もしっかりと出してくれたことが嬉しかったです。
 どうしてもバトル漫画ではそのへんのことがおざなりになりがちなので、読む人が全員おだやかな気持ちでページを閉じれる完結篇になったのはいい閉じ方だなと強く思います。
 荒川先生、長期連載お疲れ様でした。

鋼の錬金術師 27 (ガンガンコミックス)

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