小説・漫画好きの感想ブログ

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「王様の仕立て屋 28巻」 大河原遁著 感想

 王様の仕立て屋、最新刊です。
 今回は趣向を変えて、過去編。
 物語は1巻のさらに前の話で、主人公の織部悠がナポリで師匠に死に別れられ、ナポリのマフィアであるところのカモッラに莫大な借金を押し付けられている時代の話となります。ある日、突然おしかけてきたシチリアンマフィアにコルシカ島に連れて行かれた悠は、そこでファミリーの跡目を継ぐことになっている青年のスーツを依頼されます。
 アメリカに留学していてまったくマフィアになる青年からすれば、それは全くもっていい迷惑なんですが彼がしっかりと跡目をつげないと叔父貴たち二人の権力争いでファミリーは内部での戦争になりそうな気配が漂っています。そんなとんでもない状況下ではたして悠はどうやって服を仕立てるのか、また周囲をうならせることができるのか、、、。
 番外編ということですが、たまにはこういう番外編もいいですね。
 本編のほうが、巻が進むにつれて次々と新キャラが登場する展開なので、たまにこうした悠のシビアな職人の部分を読めるのも楽しいものです。