小説・漫画好きの感想ブログ

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「医龍 24巻」 乃木坂太郎著 

 教授戦のさなかに、屋上から飛び降りた子供を助けるため大怪我をして緊急手術にまわされる朝田。
 執刀医は、研修医の伊集院。三人の教授候補の一人にして、二人とチームを組む加藤助教授のバックアップのもとでだが、それは通常許されない手術だった。。。経験のない伊集院にきらせる事自体が、教授達の反感を買うことはわかりきっているのに、朝田の意志を受けてそのまま執刀させる加藤。
 これに対して、天才による医局作りを目指す霧島、凡人による凡人のための医局を目指す国立はいかなる手が打てるのか。それぞれが政治的立場やみずからのプライド、将来の理想、権力を求めて戦う姿は、医療ドラマにありがちな善良なる医者(たとえばDr.コトーや、ゴッドハンド輝、スーパードクターK)のそれとは違い、あまりに生々しくドロドロしていますが、それでも、彼らが全員立派に医師としてあることにこそ彼らの本質が見えて、変な言葉になりますが、素直にかっこ良かったです。
 医療漫画に対してそういう形容をすることは変なのかも知れませんが、彼らの、医師としての姿そのものがとてもかっこよく見えました。ドロドロしていて、世俗の権力も目指しているのだけれど、それ以上に、きちんとして医者であるということが描かれているからと思うのですが、そこがよかったです。
 もちろん、それは他の漫画のように、儲けないと暮らしが成り立たないとかという生活感のない、村の人たちやご近所の人たちとのふれあいから治療が見えてくるというようなレベルですまされない、難解極まりない、そして心臓外科という一つ間違えばそのまま手術室で患者が死亡してしまうような医療現場であるからこそ、美化されている部分もあるのかも知れませんが、それでもかっこよかったです。
 この一巻で、そのうちの一人が脱落。
 次巻は選挙戦の本選のようですが、どちらが打ち勝って教授になり、心臓外科の医局を率いていくことになるのか。そして、無事心臓手術から生還したものの、今はまだ病床にある朝田は本当に後遺症なしに生還できているのか。再び天才心臓外科医として復活できているのか。非常に興味深いです。
 現在、ドラマのほうも放映されているようですが、、、実はそっちは全く見ていないのでノーコメントです。


医龍 24 (ビッグコミックス)

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