小説・漫画好きの感想ブログ

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「梟与力吟味帖5  紅の露」 井川香四郎著 

梟与力シリーズの第五作目。
 内容はこんな感じ。
 江戸中を震撼させた連続辻斬り事件の探索で、中山道倉賀野宿へと出張った与力の逸馬は、『阿弥陀湯』の三助巳代吉に疑いを抱く。あえて大火傷を負い顔を変えて逃げ続けた巳代吉は、真犯人の顔を見たと訴え出る。一方で信三郎と真琴は、事件の背後にある八州廻り畠山と両替商絡みの不正をつかむ。
 まぁ、いたってオーソドックスな時代劇、捕物帳です。
 このシリーズは、主人公達が三人三様であるところに加えて、彼らの上司である北町奉行所の遠山金四郎南町奉行所の鳥居耀蔵との確執ていう大枠があるので、とても安定しています。ただ、強いて一つ問題を挙げると、そうした大枠があるからこそ安心して見ていられる反面、いろいろな悪事の裏側元締めに南町奉行所がかかわっていて、シリーズが続けば続くほど、南町奉行所は奉行所というよりは悪の巣窟かというような雰囲気になっていくところでしょうか。
 どちらも警察組織なんですがね^^

紅の露  梟与力吟味帳 (講談社文庫)

紅の露 梟与力吟味帳 (講談社文庫)