「今朝の春―みをつくし料理帖」 高田郁著 感想
好評のみおつくし料理帖もいよいよ第四部です。
下がり眉の女料理人のみおも、徐々に徐々に江戸の風になじんできて、関西の味と関東の味の融合を進めながらしっかりと地盤を築いてきています。そうした人との関係がさらに一段階進んでいるのが本作。
小松原様の正体とその母親との対面。ほうきの実にまつわるエピソード。
同名のみおの縁談話の謎。
幼なじみで今は江戸一番の太夫となった、あさひ太夫との友情。
それらが、おいしい料理と、まわりの愛すべき小市民たちとの関わりの中で少しずつ進んでいきます。この小説では、作中の各章で描かれている料理のレシピが巻末につくのですが、どうやら、高田さんは実際にこれらのレシピをつくりあげるために本当に大量にこういう料理をつくって味を確かめ確かめ試行錯誤されているご様子。
このあたりの誠実さにもとても引かれます。
今朝の春―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-4 時代小説文庫)
- 作者: 高田郁
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2010/09/15
- メディア: 文庫
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